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邪拳戦争  作者: タコうどん1
{第一章} グートレル革命
3/5

『超気の奴隷』

時代感はファンタジーなので気にせず、むしろ面白がってほしいです。

ここはミアレチョキ共和国。グートレル王国の南に位置している。

 そこに、グントとシィグがやって来た。

 何故ミアレチョキに来たか、遡る事少し前。


「これからは仲間として、先ずは共にグートレル王国に革命を起こそうではないか!」

「分かってるわ。私がリーダーとして、世界に革命を起こすんだから!!」

「フ、そうだな。その意気だ!シィグ!シィグはどうやって革命を起こすつもりなんだ?」

「そうだね〜、先ずは手始めに王都に行って、そこで演説をして、仲間を集めて、デモを起こす!さらにそれに乗じて王都議会を爆破して、偶人派を全員―して、そうしたら軍も動くからそこで―を―して先に密輸しといた波の兵器―で――を―に―して、未だ生き残りが居るだろうから一人残らず――で―て、そこから自分の仲間を増やしていったらまた仲間を増やして、まあ―とか使って王都議会を独占して、最終的にニレミグール革命国を建国するわ!!!」

「そうか、中々良い考えではないか!計画性や問題解決も十分であり尚且つとても現実的な良い計画だ!」

「そうでしょ!どうせなら――も――したいし、―も―――けど、まぁそこは考え直すべきだね」

「そうだな。だが、いきなり実行に移すのは難しいであろう。何事も経験だ。そうだな、良し、下準備と言っては何だが、ミアレチョキに行き、世界の実情を知るのはどうだ?」

「良いじゃない!」



 そうして、南の方へ向かい。

「国境はどうやって越えるの?」

「抜け道を知っている」

「本当に?」

「ああ」



 こうして、ミアレチョキ共和国にやって来ました。

「良いか、グートレル王国に革命を起こしたいのなら、先ずは世界を知る事だ」

「まあそうだわね。最先端の技術が見れたら良いけど」

 技術大国であるミアレチョキ共和国。超気の力を使いこなしながらも、偶の様にドッシリと構え、波の様に時代の波を巻き起こしている大国だ。他の力へのリスペクトを欠かさず、超気へ組み込んでいった結果ともとれるが、実際は他の力の技術を盗んで来ただけである。

 そんなミアレチョキ共和国だが、その力を工場等で使うには労働力も必要だ。だがミアレチョキには労働者が少ない。そこで思い付いたミアレチョキの労働力は、奴隷から来ているのだ。



 シィグとグントは、国境近くの町に来た。

「...聞いてはいたが、酷いあり様だね」

 工場では三千を超える奴隷達が、気絶するまで働かされていた。

「日夜働かされる奴隷達は人間の扱いでは無く、SFの機械人間の様に扱われている。これがミアレチョキ共和国の現実だ」

「...革命は必要といわれるまで起きない。でも奴隷にはその様な考えすら許されない...」

「そう、革命は必要とされるまで起きないのが弱点だ。だが、裏を返せばこの状況は変える必要がある、と皆が思う風になれば革命が起きる」

「......やるべき事は判った。どうやらスケグルなんて生ぬる過ぎたようだわね」

 ミアレチョキはシィグが思っていた40倍は酷かった様です。




 ここはとある工場。そこの塀の上にシィグが立っていた。

「今見えるのが二十四人、構造的にあと六十人、それが2レーンで、左右あるから三百三十六人程。工場は古い考えだからもっと居そうで、さらに奥までも3レーンあって千百人程!!ミアレチョキでもデカい工場なんだろうね。

 ......一番効率的な製造方法とか言ってるくせに、実際は一番人手が必要で作業効率も落ちるし、何より作るのはただのハンカチだ!SFに影響されたおかげで、ハンカチのために千を超える奴隷が悲鳴すらも上げられない。革命を始めるのにピッタリ過ぎる場所だわね」

 元々波の人間だったからか、流れる様に批判を飛ばすシィグでした。


 そしてその工場の中に、グントが侵入していた。

「右向けば奴隷、左向けば奴隷、もう一度右向けばさっきの奴隷が倒れている。金と効率が全てで、奴隷の事は道具、いや、最早道具とも思ってない。同じ動きを繰り返すだけの物、それが当然だと思っている。だからそれを心配する訳も無い。ジャンケン列車の亜種か。負けた者は勝った者に付き従うか。これは上から叩くか、それとも上を下から叩くか」


 シィグは工場を非難していた。

「―そして人間を奴隷として扱い、人でありながら人を人と思わぬ人外が二人!外部が恐らく―人!自分は王と勘違いし、王と似ても似付かぬ行動をしてる化け物が群れを無してありもしないの大義名分で罪なき人々を苦しめる!!工場は人間が作り出した――だ!!真の大義名分でこの工場の―」

「言うのとヤルのは違う事、キリンでも分かる事だ。作戦は出来たのか?どうなんだ?」

 いつの間にかグントが戻って来ていた。

「グント......あの人達は絶対解放されたいって思ってるわ。どうせ死ぬならと一緒に工場を潰してくれるわ」

「絶対と必ずは違う意味だ」

「昔ならね」

「彼らは確かにそう思っているだろう。だが、それならもう革命が起きているはずだ。それなのに起きない。だから、何か弱みを握られてたりするのだろう。それに、奴隷の殆どは1日にパン一切れ食べれるかもわからない人だ。彼等の仕事を奪う事になってしまう」

「......そうね.........もう少し上を探りましょう」

「それが良いさ」



 もう一度グントが侵入した。

「金を数えて奴隷には目もくれず、か」

 下には監視官が居たが、その監視官は金を数えているだけであった。奴隷が二人ぶっ倒れても、金を数えながらムチを叩く。

「こいつらには超気を使うまでも無いって事か」

 やはりこの人達は恐らく―


 外のシィグ。

「グントはあそこか。あ〜でも無くこ〜でも無く、どうすれば良いかしらね〜...誰か来る!」

 門に何者かが来た。

「身なりからしてどっかの工場長ね。生かしては..いや、それはまだか」


「来る!」

 グントはギリギリで隠れた。

「これはこれは、お久しぶりでございます」

 階段の踊り場から、一人の人物が現れた。

「本日はお日柄も良きですね」

 謎の人物が帽子を取り、挨拶をした。

「して、本日はどの用でして?」

「実は私の工場で新しい事業を始める事にしましてね、それで少し相談したいのです」

「ならば上でゆっくり話しましょう」

「いやー今日は――」


「...行ってしまったか。深追いは禁物だ」


 

 工場長室。

「―だけどそれには技術が足りなくてね、そこで君に聞きに来たんだ。何かいい方法はあるかね?」

「超気は気難しいですからね、まあかと言って他に良い技術がある訳でもありませんしね。偶も使えるかも知れませんが、超気以外を使うのは人間じゃ無いですからね。超気ならこの身を削ってでも絶対使いますよ!」

「私ならこの命を消耗してでも使いますよ!」

「ハッハッハッハッハ!」


 その様子を、グントを追っていた謎の人物が眺めていた。

「...ここは偶が適切だが、便利な超気の方絶対良いとしか思えないようになっている。彼らは仕事が無かった人達を無理矢理奴隷にしているが、彼らもまた超気を使いこなしてるつもりで、自分が超気の奴隷となっていると、気付けていない。...偶利虎(グリコ)か?これも偶利虎(グリコ)なのか?...人間は惨めで残酷で、生き物らしくも無いな......我等と似ているな...」

 謎の人物はただ眺めていた。


 シィグは作戦を練っていた。

「...力返しの才能は、まだ無いか。グントならいけるかな?...一度自由を...いっそ私達で破壊して..いや、これはあの人達がやらないと...邪拳ってむっず〜!!」


 一方グント。

(今がチャンスか、彼らに直接聞いてみるか!)

 グントが監視官を気絶させた。


「こんにちは」

「...」

「お仕事大変そうですね。辞めたいとは思わないんですか?」

「..辞めたい..けど...辞めたら生きていけない....」

「なんで生きていけないのですか?」

「...金が無いから....それに私達は波の人間だよ...波の人間がミアレチョキで生きていける訳無いのよ.......」

(波の人間であったか。つまり無理矢理連れて来た訳か)

「成る程、どこに住んでいたんですか?」

「.........スケグルよ....」

(これは、シィグの出番のようだな)

「そうか、教えてくれてありがとう。待っていてください、必ず助けますから!」

「.........」


 シィグ。

「う〜〜ん?あれ?奴隷達全然超気使えて無いじゃん。いくら奴隷でも小学生ぐらいは使えるはずだけどな〜?...まるであの時の私みたい」


 グント。

「どうせなら何か盗んで行くか」

 そう言いながら大事であろう書類を拝借した。


 外のシィグ。

「超気、超気...超気の人間じゃ無い?...あ〜だとし、いや、え〜?」

「彼らは波の人間だ」

「うわ、ビックリした〜。て、え?波の人間!?」

「ああそうだ。どうやらスケグルから無理矢理連れて来られたようだ」

「え!?.........あーどうやら、偶の革命家の出番のようね!」

「そうだな、革命はスケグルで起こそう!」

「それが分かったなら直ぐ行くよ!」

 どうやら、早速最初の革命が始まる様です。

ジャントピア歴史雑学。丁度この時代に、ドウアイコのSF小説家、レクサル・メアイコ・ジャズビーが書いた、『超気と科学の知恵比べ』というSF作品があります。この作品は、未来の科学技術と超気が争う物語で、科学技術がとてもリアルに描かれているかつ、超気の力の真骨頂も壮大に描かれ、世界最高のSFと呼ばれています。(ジャントピア内では)

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