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別世界の道化師  作者: あかひな
序章
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第八幕 道化師の能力

 ただいま、絶賛正座中です。理由はいたってシンプル。

 あのバカ神様が俺のベッドに入っていたのを、フィアとマウに見られたからです。


「……何か言う事は?」


 フィアさん、怖いです。怒りの化身みたいになってます。

ちなみに、マウは別室でバカ神様に事情を聞いています。


 事情を聞くのと同時進行で説教っておかしいよね?


「俺は無ざ……」


 無罪と言おうとした瞬間、炎が鼻のてっぺんを焼きました。


「熱っ!!」

「……何か言い残す事は?」


 言う事は?だったのが言い残すに変わってます。マジで怖いです。般若なんか目じゃない。


「いや、これには事情があって……」

「あんな小さい女の子連れ込む事情があるの?」

「はい。ありま……」

「焼けろ!」


 フィアが叫んだ瞬間に真っ赤な炎が俺を…。


「フィア、ストップ!!」


―――――包みませんでした。


「止めないでマウ。この変態に拷も――説教をするんだから!」


 今、拷問って言おうとしたよね?言い直したよね?


「フィアは落ち着いて、あの子を見て!」

「ちょっと、何するのよマウ!」


 マウは無理矢理フィアを廊下に繋がるドアに向かせると、ドアがゆっくりと開いて(自称)神様が出て来た。


 少女ではなく少年の姿で。


 顔は可愛い顔をしているが、確かに男の子の姿だった。

フィアは俺の方を向き、ベッドの時に慰めるような感情を混ぜた視線で見てきた。


「……めん、私いろいろ勘違いしてた」

「ちょっと待った! 何で目逸らしてるの!?」


 こうして話している間も一切目を合わせてくれない。


「第一、俺は昨夜一人で寝たんだ! 誰かいる方がおかしいんだよ!」

「ねぇ、ヒエン。その事なんだけど……」

「マウはちょっと黙ってて」


 俺はマウをなだめると、フィアの誤解を解くためにもう一度フィアの方を向こうとする。

 ……が。


「帰るってホント?」


 その一言は、その場の空気を凍らせるには十分だった。


「帰るって・……誰が?」


 帰るって言っても帰るところは、ここしかないし。

まさか、土に還れとか言うわけじゃあ無いだろうし。


「あなたに決まってますー」


 ………何だろうなー。幻聴が聞こえるなー。しかも、なんかデジャブ。


「また幻聴って言ったですー。信じてくれるんじゃないんですかー」


 俺は後ろを向かない。例え、マウが後ろで啜り泣きをしていても絶対に……。


「やっぱり無理!」


 俺はマウに駆け寄り抱きしめる。


「落ち着いて、マウ。俺は帰ったりしないから」

「だって、そこの神様が、ヒエンが帰っちゃうって……」


 マウはそこまで言うと、今度は本格的に泣き出す。……罪悪感たっぷりなんですが。

 とりあえず、犯人は…。


「お前かマウに変な事教えたのは」


 俺は真横で呆然としているバカ神様の頭にチョップを喰らわせる。


「い、痛いですー。何ですかー」

「何ですかじゃない。お前、マウに変な事教えただろ」

「変な事とは失礼ですー。何であなたのベッドにいたか聞かれたから、元の世界に帰すために待ってたら寝ちゃったって言っただけですー」

「ちょっと、それどういう事よ……」


 俺が神様とのやり取りに夢中になっていると、フィアが後ろで呟く。


「あ、いや、これは……」

「マウまで連れて来ておいて、帰るってどういう事よ!!」


 フィアは怒鳴ると、そのまま部屋を出ていってしまう。

 いや、勘違いで怒られてもな……。

とか、思っても口には出さない。


「私には分かりますけどねー」

「勝手に覗くな変態」


 フィアがいなくなり部屋には泣いたまましがみついているマウと、変態(神様)と俺だけ。一体、俺にどうしろと。


「さあ? なんでしょうねー」

「だから、覗くな」


 また、チョップを喰らわせる。

 ……ちょっと、力が弱いのは内緒の話。




 部屋に取り残された俺は、とりあえずマウを部屋に連れていき傍に着いている。

 ………長い沈黙。


 正直、いるのが辛い。これだけ沈んだ空気の中にいるのは苦手だ。

 そんな沈黙を破ったのは、目を泣き腫らしたマウだった。


「ヒエン……ホントに帰るの? もう、戻ってこないの?」


 マウの声は小さく、今にも消えてしまいそうだった。

 そんな中で俺は言わなくちゃいけない。






「帰る気は無いよ」






 ……………………また長い沈黙。


「え?」

「だから、俺は帰らないよ」


 マウは俺が何を言っているのか分からないようだった。


「マウ、口開きっぱなしだよ」


 俺がそう言うと、マウはハッとして急いで開いていた口を閉じる。

俺はそんなマウに和みながら隣で微笑む。


「でも……」

「何?」

「あの娘は、ヒエンを帰すって……」


 やっぱり、あいつのせいか……。


「それはあいつのはやとちり。俺はまだ帰るつもりは無いよ」

「ホントに……?」

「ホントに」


 俺が頭を撫でながら言うと、マウは何故か涙を流し始めた。


「え? ちょっと、マウ?どうかしたの?」

「女の子を泣かせるなんてダメですー!」


 俺は、背筋にゾッとしたものを感じとっさにその場から飛びのく。するとそこには、鋭利なナイフが5本ほど突き刺さっている。

 ……避けなかったら脳天直撃だったな。

 俺は呆然としているマウを撫でながら、ナイフを一本抜くと窓の方に向かって投げる。


 パキン


 ガラスが割れるような音が鳴ると同時に、ナイフは塵のようになって霧散する。


「ナイフを投げるなんて危ないですー」


 何も無かったはずの空間から霧が晴れるように神様が現れる。


「また覗きか。それに、ナイフはお前が投げてきたんだろうが」


 俺がそういうと、神様は無い胸をはって言った。


「投げたんじゃないですー。落としたんですー」


 ……確かに落としたんだけどさ。


「でも、わざとでしょ?」

「もちろんですー。女の子を泣かせるなんて、最低ですー」


 ……殺人だよ。殺人犯がここにいる。


「神様ですからねー」


 ……もういいや。


「ホントにいいんですかー?」

「何が?」

「ホントに帰らなくていいんですかー?」


 こいつがこう言った瞬間、マウが体をピクッと動かしたのが分かった。


「いいんだよ。まだ、こっちを楽しみきってないからな」

「でも、いきなり呼ばれても困るですー。自分の事は自分でどうにかして欲しいですー」

「……お前のせいでこっちに連れて来られたんだけど」


 神様はしばらくうなっていたが、何かを思い付いたらしく手を叩いた。


「そうです! あなたも能力があればいいですー!」

「いや、俺には神様みたいな能力無いから」

「はい。だからあげますー」

「は?」

「ちょっと、失礼するですー」


 神様は言うが早いか、いきなり俺の鳩尾の辺りを殴った。


「うっ!」

「ヒエン!」

「大袈裟ですー。痛くないはずですよー」


 痛くない……?

言われてみれば全然痛くない……けど、なんか胸の辺りを掻き回されてる見たいな気持ち悪さが……。

 と、下を向くと神様の腕が俺の身体にめり込んでいた。…と言うより入り込んでいた。


「うわっ! なにこれ気持ちわるっ!」

「ちょっと、逃げないで欲しいですー。探すの大変なんですー」


 神様はしばらく俺の胸の辺りを探るように動かしていたが、いきなりピタッと止まり真剣な表情になった。


「お、お前何やって……」

「黙ってて」

「はい……」


 この娘だれ?すっごく怖いです。いつもは語尾延ばしたりしてるくせに、なんか凄い怖い。


「ちょっと意識飛ぶかもしれないけど、我慢してくださいねー」

「は?」


 俺は神様の宣言通り一瞬で意識を暗闇の中に飛ばした。


___________________



「…………。……………………………」

「ん……」

「……さいよ。…………てるつもり?」

「んん……」

「いい加減に起きなさい!」

「……おやすみなさい」


 さてと……、二度寝二度寝。


「いい度胸じゃない。マウ、錆びた包丁ある?」

「はい」

「ちょっと待てー!!」


 俺が飛び起きるとフィアとマウが立っていた。

錆びた包丁を手に持って。

 ……あれ~?なんかデジャブ。


「おはよう、ヒエン」

「あ、おはよう」


 マウがにっこりと微笑んであいさつをする。……可愛いはずなのに、恐怖しか感じないのはなんでだろう。


「マウ、関係ないからバラしましょう」


 ………恐怖しか感じない。


「な、なあ。なんで俺は寝ちゃってたんだよ?」

「……やっぱりバラバラに」

「フィア、そんなこと言っちゃだめだよ? ちゃんと、あの娘に言われてたんだから」

「マウがそう言うならしょうがないわね……」


 フィアはそう言うと部屋から出て行ってしまった。

 あの娘……?…………………。


「思い出した!」

「あ、起きたみたいですー?」


 俺はマウから包丁を受け取り勢いよく、マウとは反対の声の主に向かって突き刺した。


 パキン


 しかし、またも包丁は当たる前に塵になり霧散する。


「まったく何度も何度も危ないですー」


 今更なんの御用ですかね。

人の体の中掻き回して、気持ち悪い思いをさせたくせに。


「今回は説明ですー」

「説明?」

「はいですー。なんと、あなたは神様の能力を手に入れましたー」


 ………………………………………………はい?


「神様、つまり私と同じ能力を手に入れたんですー」


 …………………………………………。


「例えばですねー……あなた、私の事刺そうとした時刺せなかったですよねー」


 ……何度思い出しても憎らしい。


「アレが使えるようになったり、相手の心をよんだり出来るようになったですー。と言うか、基本何でも出来ますー」


 ……何でもとな?


「はい。何でもですー。ただし、ちゃんと制限はあるですよー」

「例えば?」

「命を創り出す事ですー。これは………言わなくても分かるですね?」


 ………。


「生き返らせるのもこれに当たるですー。あ、でも、命が篭った物を人にさせるのは出来るですー」

「物を人に……ね」

「あとは、能力を使える範囲を制限させてもらったのと、私を殺せないようにさせてもらったですー」

「ちっ」


 一番やりたい事が出来ないのは残念だけど、役に立ちそうかな。


「範囲はあなたの魂を中心に半径1000キロですー。ちなみに、範囲の拡大も不可能ですー」

「はい、質問」

「なんですー?」

「新しい世界は作れますか?」

「作れるですが、命は作れないから生命のいない世界になるです」


 ……意味無いじゃん。


「説明はそれだけですー。これさえあれば、万能で何でも出来るから呼ばないで欲しいですー。元の世界に帰るのも何をするのも勝手にするですー」


 ……了解。


「やけに素直です? ……まあ、いいですー。元気にするですよー」


  神様はそれだけ告げると、ふっと消えてしまった。


 ……一体どうしろと。






どうも、神薙です。


最近どうも更新が遅い気がします。

しょうがないんです!執筆と日常の両立がきついんです(泣)


あ、あと、4万PV越えました。

ありがとうございます。


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