進路志望で「小説家になりたい!」を親や先生に通すには
どうも、熊ノ翁です。
皆さん子供の頃の夢は何でしたか?
プロ野球選手ですか?
医者ですか?
弁護士ですか?
まず間違いなく一度は学校で書かされる事になるであろう将来の夢。
ぶっちゃけ社会の事も職務内容も知らない内にこんなもん子供に語らせた所でなんか意味あんのかってーとほぼ無いわけですが。
大抵の場合は子供のなりたい職業にかこつけて、親が「だったら沢山勉強して良い成績取って良い学校に行かないとね!」とか、そんな感じで尻を叩く材料に使われて終わるだけなのですが。
そんな夢もへったくれも無い使われ方をする「将来の夢」なわけですが、これらにはNGワードとなる物も存在します。
YouTuberや漫画家、アイドルといった類のものですね。
本好きの夢である小説家もまた、この「親や学校の先生に語って嫌な顔をされる職業」の一つです。
ぶっちゃけウルトラマンや仮面ライダー、そしてプリキュアといった実現性皆無な夢よりも、子供の語る「将来の夢」としては遥かに毛嫌いされます。
何故か。
その理由は変身ヒーローは大人になるにつれて「流石にこれはフィクションだわ」と諦めるのに対して、小説家という職業は金にもしづらく、職歴としても不利で、要は食い扶持として不安定でしかも成功率がクソ低いからなんですよね。
そのくせ、良い年こいた大人になっても「本当の俺はこんな惨めな社畜じゃ無いんだ! いつか世間をあっと驚かすくらい有名になって見返してやるんだ!」的な事をほざいて、本来なら資格を取る、職務に励む等のキャリア形成に費やすべき時間を動画作成やら執筆やらの換金性の極めて低いゴミ屑みたいな物事に浪費し、人生をダメにしながらも夢を追いかけるキラキラした自分に酔っ払い続けるといった末路を辿りがちです。
そりゃあ親御さんも「そんな世捨て人みたいな事言ってないで、大人しくタワマン暮らしの勝ち組サラリーマン目指しとき! 勉強して良い学校出て、資格取って良い会社に入れば、年功序列と人手不足で一生安泰だから!」と叫びたくもなろうってもんです。
いやまぁ。
世に出て一人で暮らしていく事を考えると、文章で食い扶持稼いでそれ一本で生活していくって、どちゃくそ難易度高いんですよね。
それこそお笑い芸人やって一発当てるのと、同じレベルなんじゃないでしょうか。
長期に渡り仕事として続けられるかってのも、同程度に難しそうですし。
とまぁ、そんなこんなで我が子が潰しも効かねぇわ稼げましねぇわの危険な職業を将来の夢としてブチ上げてきたら、親御さんは当然ながら良い顔しないわけです。
可愛い我が子に野垂れ死になんてして欲しくないですからね。
そこだけ見れば、反対する気持ちも分かろうってもんです。
「自分らしく」とか「夢を追いかける君はカッコいい」とか、そんなクソの役にも立たない綺麗事に自分の子供が躍り狂わされて、路頭に迷ってギター片手に「汚い大人と社会が悪い!」と涙ながらに歌ってバンド活動に勤しむような、そんな未来は歩んで欲しくないですもんね。
小説家を志す我が子に「バカみたいな夢を見るのはやめて、ちゃんと勉強してマトモな道歩め!」と一喝するのは、親としてはまぁわかる対応なんじゃないでしょか。
んでは、この「小説家になりたい!」という子供の夢は、踏みにじられても仕方の無い、ただただ危険で目指すべきで無い口にするのもはばかるような妄言なのでしょうか?
今回は一つ、どうしたら親や学校の先生に「小説家になりたい!」という夢を応援してもらえるのかを、熊と一緒に考えてみましょう。
あいつら、自分達がガキの頃は「バンドマンになって飛行機に俺の顔をプリントして空を飛ばしてやる!」みてーなタワ言ホザいてギター片手に路上で騒音公害ライブやってジャイアンさながら悦に浸ってた分際で、いざテメーが親になったらダメダメ言い過ぎなんすよ。
小説家なんて、上手くいかなくても人様に迷惑かけずに自滅するだけなんだからさ。
路上でジャイアンリサイタルして騒音ばら撒くよりか、なんぼかエコってもんやろが。
閑話休題。
まず、何故「小説家になる!」という夢に対して親が渋い顔をするのかについて、大まかに理由をまとめると大体こんな感じです。
1.それだけで生計を立てるのが非常に困難
2.勉強に支障が出る
3.就職活動の際に潰しが効かない
なので、この点が問題とならない事を親や教師に伝える事さえ出来れば、ジブリ映画「耳をすませば」の月島雫のように家族会議でガン詰めされてロジハラ喰らって泣き崩れるような未来は避けられるのです。
多分。
ではでは、小説家の夢が反対される理由を一つずつ潰していきましょう。
最初はコレから。
「それだけで生計を立てるのが非常に困難」
これ、親御さんはおろか「小説家になりたい」と叫ぶ子供や学生さん自身すら気付いてない場合が多いですが、大前提としてプロの小説家さんの大半の方は小説で生計なんて立ててません。
9割がたの作家さんは小説書く他に自身の本業を抱えています。
これを知らずに、やれ「小説家は食っていけない」だの「もし仮に作家になれても、売れなくなったらどうするんだ! そこで詰みだぞ!」なんて認識の方が結構います。
まずこの大前提が間違ってんですよね。
作家業だけで生活成り立たせてる人、本気で少ないですし。
前に作家の知念さんが「専業作家、国内で200人もいないって編集さんから聞いた」的な事をTwitterで語られてましたが、そんな感じでまあ厳しい世界なんだと思います。
てなわけで、世の大多数の作家さんは専業作家なのでは無く、兼業作家さんなんですよね。
つまり「それだけで生計を立てるのは困難だから小説家なんて志すのはやめなさい」という反対理由は、世の大半の小説家の皆さんがそれだけで生計を立ててない実情を鑑みるに的外れなわけです。
これは、小説家を志す方側も結構勘違いしてる人多くて。
「プロ作家になる!」ってのは、ほとんどの場合が「副業として小説で稼ぐ」って事なわけで、昼間は普通にサラリーマンなり何なりやるのが基本なんすよね。
だもんで、新人賞獲って作家デビューしたから会社勤めや就活せんで良いかというと、んなこたぁねぇっていう。
定収入見込める堅い仕事をまず持っといて、作家業は基本プラスアルファであるって認識をすべきだと思います。
なので、もしその認識が無い相手に将来作家の道を歩みたい事を理解してもらうなら、まずそこの前提をきちんと説明しておく必要があります。
そんで次。
「勉強に支障が出る」について。
これはもう「勉強頑張れ」で終わる話なわけですが。
上でも語りましたが、小説家は大抵の場合それ一本で生活を成り立たせる事ができる仕事ではありません。
食い扶持稼ぐ為の本業をきちんと持つ必要があります。
んで、その本業となる仕事を獲得する為には、学歴と資格をやたらと重視する我が国の就活状況を顧みるに、勉強すんのが一番手堅く手っ取り早いです。
なので「小説家になりたい!」と思うなら思うほど、勉強して資格と学歴は持っといたが良いんですよね。
これは専業作家となる場合でも同じ事が言えます。
なにせ物書きの仕事は長続きしない、売り上げの見込みが立てづらいものだと言われていますし。
新人賞の大賞作品が売上振るわず爆死する事も珍しく無いのが、この業界です。
何が売れるかを見極めるのは、審査員を務める業界人の方々の目を持ってしても至難の業なのでしょう。
ですんで、もしプロ達も認める良作を書き上げられる実力や才覚を持っていたとしても、それでも十分な稼ぎを得られる保証は無いんすよね。作家ってお仕事は。
熊の好きな作家さんも、あれだけ才能に満ち溢れていたのに、それなのに……
てなわけで、腕があってもいつ食いっぱぐれるかわからんようなお仕事なので、転職や再就職に有利な資格やスペックを持っといたが良いんすよ。
となると、作家を志すならば人並み以上に勉学には励んどいた方が無難です。
てか作家業なんてそもそもが勉強を仕事にするようなもんですしね。
物語作る為の調べ物も、実際に文章にして書き出す事も。
ですから「小説家を目指すから勉強はないがしろにして構わない」なんて考えて、学業疎かにすんのは的外れも良い所なんすよね。
学生の内にわからない事があったらどう調べてどう答えを求めるかの訓練は、作家になる為にも積極的にしておいたが良いです。
まず無駄になりませんし、無駄になったとしても就活やら何やらでその後の人生で役立ちますし。
そして何より、小説家として働く為の優先順位は「安定した収入と生活基盤を得る」事が第一です。
何故なら、創作活動のために学校や仕事を捨てた場合、経済的に困窮してマトモに執筆できる時間を作る事が出来なくなるからです。
「働かずに今ある貯蓄で食いつなげる限り、作家目指して執筆するぜ!」という作戦は、基本実家が太くてぬくぬくニート生活が許される選ばれし者か、宝くじで一等前後賞当てた人間でも無い限り実際にやるのは厳しいでしょう。
地域差はありますが、一人暮らしにかかる1年間の費用は大体250万円ほど。
一年という時間を作るだけでも、それくらいのお金が掛かるわけです。
平均貯蓄が100万ちょっとと言われる現代日本で、それだけの費用を大して腹を痛める事なく用意できる人は限られてます。
なので、ただ夢を見るだけでなく本気で「作家になりたい」と考えてる学生さんは、尚の事勉学に勤しみ、盤石な生活基盤を作るよう心掛けた方が良いです。
最後の3点目「就職活動の際に潰しが効かない」について。
これは結構簡単に抗弁できる所で、たとえばいにしえのおっさんが好きな趣味あるあるな釣りやゴルフ、カラオケ、飲み会、パチンコといった物は、では就職活動の際の潰しにどれだけなるかって話です。
そういった小説よりも更に金にしづらい、キャリアにもしにくい趣味に比べれば、こちらの方がまだ金稼ぎや自分磨きの手段としては有利でしょう。
なにせ小説書くのは趣味として見た時、かかる経費が非常に安い。
紙とペンか、生活必需品のスマホがあれば良いわけですから。
この手のツッコミについては「いや、あんたの趣味よか遥かに安上がりだし、金に出来る可能性までついてくるんだけど」で封殺できます。
言い方は気をつけなければいかんですが。
論破なんてしたところで、立場の強い相手にヘソ曲げられたら弱者側は詰みなので。
そこは気をつけておきましょう。
以上3点を踏まえて「将来作家になりたい」と親や教師に語るなら、相手側としても理屈の面ではそうそう反対はできないかと思います。
なにせ、親側が子供に求めている内容と大筋同じなので。
「家業を継げ」と言ってくる親か「俺は小説家が嫌いなんだよ!」と自分の価値観を押し付けてくるちょっとヤバめの親でも無い限りは、こんな感じで話を持っていけばそこそこ納得してくれるかと思います。
自身の夢をどう親に認めてもらおうか悩んでる学生さん方は、よかったら参考にしてみて下さいな。
進路志望で「小説家になりたい!」を親や先生に通すには……END
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