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虹色の自転車

作者: 鉄 竜太

今気がついたが、これ僕の自転車じゃない。もう駅の駐輪場からだいぶ離れてしまったぞ。

なんで鍵かけてないんだよ!と思ったが、なにより自分自身鍵をかけないから、同じく鍵のかかっていないこの自転車に間違えて乗ってしまったのだ。

言い訳をするとしたら、自転車の色も大きさも、もしかしたらメーカーとかもまるっきり同じかもしれない。だから間違えた。そしてなぜこれが自分の自転車じゃないと気がついたのかというと、後輪のスポークにボールペンほどの大きさの棒が一つとりつけてあり、これが自転車を漕いでタイヤが回り出すと、どういう仕組みなのか虹色に光り出すのだ。安全なのかもしれないが、なぜか恥ずかしい。しかもこの光りかたも半端ではない。夜の闇にのまれる住宅地の家という家の壁を虹色に照らしてディスコに変貌させるほどの強烈な光である。ここまで来るまで「なんか今日虹色だな」くらいにしか思っていなかった自分がまた恥ずかしい。

僕は大人しく駅の駐輪場に戻って自転車を交換しようとしたら、自分の自転車がどこにもなかった。どうやらこの虹色に光る自転車の持ち主に乗っていかれてしまったらしい。


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