イスクラディヤ入国3
イスクラディヤ国の何となくモヤモヤさせられる、慢性的な体調不良のような感じの国民たちの雰囲気が気持ち悪い一行。
確かに今までにこの世界で経験してきた国の中で、一番に元気がない。
隣のドラゴレシエ国もいい感じではなかったが、北方からの侵略に対抗するために働き手がいない、お金がないというように理由も明確であった。
しかし、このイスクラディヤ国の街では20代や30代の男性たちもたくさんいるのに、雰囲気が良くない。
「平和ボケ?共和制って言うならば国民の声を反映するんじゃないの?」
「ま、結局のところお金のある豪商や、以前から貴族だった名家などだけが財力や知識をもとに国を運営しているのかもね」
「へぇ、流石はユリ。王様が居ないって良いことかと思ったけれど」
「こうするぞ!って強く引っ張ってくれる人がいないと、結局は何もできないのかもね」
「なるほど。確かにここの人たちの愚痴ってそんな感じだったわね」
「で、ドラゴレシエ国も独立してオンデンスク国に対抗することになったのよね」
「その話で言えば、うちのリーダーは頼りになるのかしら?」
「カミラ、本人の前では言わないのがハナよ」
「おい、二人ともどう言うことだよ」
「最近はサンダーも増えて、リーダーの活躍の機会が減ったかもね」
「ユリまで……」
「冗談よ。みんな頼りにしているわよ」
「そうよ、私たちの中では剛腕なリーダーよりもシミくらいがちょうど良いんだから」
「ほめているのか、それ?」
「「ははは」」
「いいのよ、シミがそれだから、みなが自由にできて。国の運営とは違うのだから」




