ゴーレムダンジョン踏破2
「戻って来たか」
入口では、いつもの兵士が待っていた。
「そうか、ダンジョンコアも。最初のに似ているか」
「はい、そうおっしゃると思って最初のはこちらです」
「いや、疑ったわけではない」
シミリートが対応している間に、カミラが冒険者ギルドの出張所で素材の売却を交渉している。
「そんな!買い取れないってどういうことですか?」
「いえ、こんなにたくさんは買い取れないだけです。この出張所にそれほどの資金は用意していないのです。冒険者もあまり来ないですし……」
「あ……」
揉めている声が聞こえたシミリートたちはカミラのところに集まりその事実を確認する。
「オリガちゃんを連れて来てもらっていないようですが、この後は王都ですか?」
「いや、王都には連れて行かない」
「でもダンジョンは最後って」
「そうだ。国境まで送るように言われている」
「そういうことですか。私たちには国内にいて欲しくないのですね」
「じゃあ、素材の売却は他国でするわよ?」
「う。冒険者ギルドの査定額で我々が購入する。後で王都のギルドに渡すから」
「……カミラ、そういうことらしいから、査定額を確認して貰おう」
魔法の収納袋から大量の素材を次々に取り出して査定を頼んでいるのを見た兵士が、量に驚いているようである。
「心配しなくても良いですよ。その国境とやらまでは私たちが運びますから。でも、オリガちゃんと私たちの戦馬をちゃんと連れて来てくれてから交換です」
「分かっている。その金額なども伝えるようにする」
査定額も含めて状況を伝えに行くためか、騎乗した兵士が走り出していくのを見てから、自分たちは馬車に乗り込むシミリートたち。




