獣ダンジョン3
「さぁ、戻って来ましたよ。こちらがダンジョンコアです」
自分たちをこのダンジョンに連れてきた兵士に、コアを見せるシミリート。
これより前の2ダンジョンのダンジョンコアに比べて、小さくて赤紫色も薄いが通常の魔物の魔石に比べるとかなり大きい。
「ま、本物なんだろう。つまらない嘘なんてつかないだろうからな」
「もちろんです。それで、オリガちゃんからの返事はどうだったのですか?」
「それはあの者が」
「あの。オリガという少女の返事を言葉通りに伝えます。何を言っているの?恋人同士なんていなかったわよ。子供でもわかるわよ。でも、そんなことを確認内容にするってことは、意識はしているようね。です」
「!」
「いえ、私の言葉ではありませんから」
どうも新人のようなオドオドした感じの兵士であり、皆から顔を見られるとますます挙動が怪しくなる。
「ふぅ。本人は無事のようですね」
「そのようだな」
「で、あといくつあるのですか?私たちが攻略をする必要があるダンジョンは」
「指示されているのはあと一つだ。ただ、これだけの腕があるなら国内に残って全部のダンジョンを踏破して欲しいものだ」
「我々はもともとこの国は通過するだけの旅人。オリガちゃんのためですし、少女を人質にするような国に長居はしたくありません」
「……それは返す言葉もない」
「早く次へ連れて行ってください。それを踏破すればオリガちゃんは解放されるのですよね?」
「分かった。馬車に乗ってくれ」
オリガが無事であることもわかり、次が最後と聞いたので、馬車に乗り込むにも気が少し軽くなった気がする。




