人型魔物ダンジョンの踏破報告
「じゃあ、ダンジョンコアも回収したし、封印されていた悪魔もこの女神像からいなくなったな」
シミリートが、女神像を元々あった祭壇に戻した後に現状を整理する。
「ま、指示されたことは達成したという報告をするとして。悪魔や女神像のことをどうする?報告するの?」
「カミラの言う通りだよな。本当は最奥のものには触るなといわれていたからな」
「最近にできたドラゴレシエ国が、ラウキアの召喚主の敵国ということはないからな。ラウキアを使いたいという話よりも、触らない方が良いと思われる封印された何かがいるということしか伝わっていなかったのだろうし」
「少なくとも脅威と思っていたのだろうけど、それを解決したと言うとややこしくなりそうだし、黙っておこうか」
「そうね。無理矢理にダンジョン踏破させられているのに、そこまで素直になる必要はないわね」
「このまま戻っても、また馬車の中で食事になるのでしょう?しっかりダンジョンの中で寝たり食事をしたりしておきましょうよ」
「カミラの言う通り!」
ヨルクの言葉もあり、このダンジョン最奥の広間でジーモントが調理を始める。
「で、魂の配分は?」
すでに姿が消えて依代に戻っているギアマが、話をしてくる。
『それは我の取り分である!』
ベリスも言ってくる。
「まぁ、ラウキアも増えたことだし、見直す機会ね」
「その武器で倒した魂は、その悪魔の取り分ってすると、ギアマが怒りそうだな。その短刀、戦闘には使わないから」
『そうだ、そのやり方はダメだ』
「ま、ギアマの言い分というよりは単に公平ではないし。もう良いわよ。均等にすれば。三等分よ。文句があるならあげないから」
悪魔達にはユリアンネが決定した方法に従うしかないようで、一番文句がありそうなベリスからも反対が出ない。




