女悪魔ラウキア
「で、あなたはなぜ封印されていたの?」
「悪魔というだけで、封印されたわ。私を召喚した魔法使いは、魔法を極めたいという一環だっただけで、周りの人間たちに被害を与えていなかったのに」
「本当か?それならばわざわざ封印なんてしないだろう?」
「ま、人間同士でも戦になればお互いに殺し合うわよね?私の召喚主もそうしただけよ」
「つまり、味方にしたら強力な仲間だけれど、敵国にしてみたら恨みいっぱいの相手だったのか。で、そこからどうやって封印になるんだ?」
「召喚主の方が結局負けて捕まり。私の操作方法を聞き出そうとしたけれど、答えなかったみたいね。私の使い方は後でわかるかもしれないと封印された後は放置よ」
「ま、強い武器を奪ったら、使いたくなるのに、使い方が分からないから置いておいたということか」
微妙な空気になってしまったが、カミラがその沈黙を破る。
「で、ラウキア。あなたはこれからどうしたいの?敵国に召喚主の恨みを晴らす?でも、この辺りって戦争を繰り返したはずだから、今の住民が敵か味方かなんてもう分からないわよ」
「……」
「もう召喚主は死んでいるわよね?」
「そうね、それはわかるわ」
「なぁ、この様子だと封印はほっておいても良かったのかな」
「どうかしらね」
シミリートのささやきに応えるユリアンネ。
「何かやる当てがないならば、俺様の眷属になれ!」
空気を読まないギアマがラウキアに言い放つ。我を俺様に変えているのは、カミラの発言がこたえているのであろう。
「私にも自尊心があるわよ。自分より低位の者のいうことを聞くつもりはないわ」