人型魔物ダンジョンの秘密3
「ギアマ、念のために聞くけれど。悪魔が封印されているのはこの女神像であっている?」
「そうだな」
ダンジョンの最奥の部屋で見つかった女神像に悪魔が封印されているという。
ツキノハラのときには、封印の力を失わないように、悪魔を封印した神像がダンジョンコアとして魔力をためるようになっていたはずである。
ここのダンジョンでは明らかに普通に見えるダンジョンコアとは全く別に、悪魔が封印された女神像が存在していることになる。
「指示は、他のものに手を出さずに、ダンジョンコアを取ってこい、だったわよね」
「じゃあ、この女神像を置いておいてコアだけ持って帰るということよね」
「ま、他所様の土地の悪魔の封印をどうこうする必要はないでしょう?」
「それもそうよね」
「おい、そこの悪魔をほって行くのか?」
「うるさいわね。あなたには関係ないでしょう?」
「いや、お前たちが封印を解いてやれば、間接的に我のおかげにして、我の眷属にするということも」
悪魔ギアマの発言は完全に自分勝手な話である。
「あなた、前にもベリスのことを眷属にするとか言っていたわよね。悪魔同士ってそんなに眷属にすることに意味があるの?」
「悪魔は競争社会だからな。自分の力を増やすためには眷属を作って勢力を拡大するのが一番だからな」
「で、今のあなたに眷属は何人いるの?」
「まだ……まだ居ない!」
「あらあら。そうなのね……」
「厳選しているだけだから、な」
「で、ユリ。どうする?」
「悪魔を使って何かするほどの企みがあったとは思えないわよね。自分たちでここにたどり着けない国の力だし」
「なぁ、封印は面倒を見ないといけないとまでは知らないけれど、やばそうだから人の手が届かないところにおいているということはないか?」
「!」