人型魔物ダンジョンの秘密
ユリアンネが座り込んだように、他の仲間たちも座り込む。
「疲れたなぁ」
「そうね。でもこれで終わりよね」
「そうだよな」
よいしょ、という声が聞こえそうな動きで、オーガ4体の胸から魔石を取り出し、彼らの使っていた金属武器を魔法の収納袋に回収するシミリート。
「もう最後だし、ここで一回休憩だ。ダンジョンコアもあとで良いだろう」
ジーモントも料理をするほどの元気がないため、皆がそれぞれ横になったり壁にもたれたりして休憩をする。
「お待たせ。もう大丈夫よ」
「無理するなよ」
ユリアンネが立ち上がり動き始めたところで、皆も立ち上がる。
「じゃあ、ボスたちが来た方へ行くか」
≪灯り≫魔法で奥の方が見えてくると、ボスたちがいた広場の奥に部屋らしいものが続いているのも見える。
そこに近づいていくと、悪魔のベリスが≪念話≫で警告してくる。
『そこに居るぞ』
「え?何だって?」
「これって」
先に歩いていたカミラが奥の部屋に入ったところで声を上げる。
そこにあったのは何かの祭壇であった。
風花の中つ国で、ツキノハラの近くで悪魔ギアマが封印されていたのと雰囲気が似ている。文化が違うからか、こちらの方は寺院というよりは神殿のような作りではあったが。
「やっぱり」
サンダーが、ダンジョンの入口で気づいた違和感。冒険者は入れないのに、詰所があったこと。
皆と違い、昔から何度もツキノハラのダンジョンを見ていたサンダーだからこそ気付いた違和感であった。
「つまりここにも封印されたものがいるということだな」