人型魔物ダンジョン最奥3
流石に大型も含めたオーガ4体と同時に対峙するのは危険と感じるので、≪石壁≫を発動させて分散させようとするユリアンネ。
しかし発動した≪石壁≫は、大型オーガが手にした大斧を叩きつけて壊してくる。
「うそ!」
カミラが言葉にするが諦めるわけにいかない。先ほどは≪炎壁≫も通過場所に発動したので通り抜けられたが、今度はこちらに対峙したときに炙られ続ける場所に発動する。
シミリートたちにまで被害が出ない場所であり、通常オーガならばまた通過するだけになっても、大型オーガならば背中が炙られる状態になるはずである。
ドロテアもそれを見て真似したので、取り急ぎの壁魔法は以上とする。
そして接近するまでに≪炎槍≫を繰り返し発動してから魔力回復ポーションを飲む。
ドロテアも≪火炎≫を何度も発動してポーションを飲んでいる。
いよいよオーガ4体が接近したのに合わせて、男性4人も自分の対峙相手を決める。
何とか対峙できるとしてもやはり格下ではあるジーモントとヨルクが両脇の通常オーク、そしてシミリートとサンダーが真ん中の大型オークである。
一番シミリートがマシだが、それでもどれに対しても支援が必要そうな組み合わせである。
「あなたたちも行きなさい!」
このダンジョンの途中で、5体満足の死体が入手できたのはオークまでであった。ヨルクに肉がもったいないと言われながら死霊魔法で用意できた、オークの幽霊を何とか制御可能な3体まで発現させ、オーガに突撃させる。
そして残ったシミリートが相手している大型オークには、ミスリルの使い魔であるシルヴィスに、いつものように突撃をさせるが簡単に気づかれてしまう。仕方がないので、シミリートが攻撃や回避をしやすいように、オークの顔の近くを飛ばせて意識を逸らさせることに注力する。