実力試験2
ダンジョンの入口で購入できたのは、3階層までの地図、しかも1階層の記述は詳細だが3階層は大まかなものであった。
「トリアンと違って構造が変化するタイプではないのだよね?」
「まぁほとんどのダンジョンはそうだろうし、何も言わずに地図を売っていたのだから、あてには出来るんじゃない」
ユリアンネがその買った地図をベースに必要情報を書き込んでいく、いつもの役割になる。
「で、どんな魔物がいるんだ?」
その話をしている間に、やって来た魔鼠の相手をしているシミリート。
「1階層は、この魔鼠らしい」
「王都シャトニーの地下が懐かしいな。あの地下に隠された秘密って結局誰かが解明するのかな」
「流石にこんな離れたところにいる自分たちがとは言えないか。で、2階層は巨大蟻、3階層はこんな洞窟タイプではなくなって遺跡タイプになるそうだ。で、出てくるのは骸骨。4階層以降もアンデッドという話だったが、それ以上の情報は少なくとも受付にはないらしい」
「お金をちゃんと払ったんだよね?」
「あぁ、返して貰った荷物にはお金も入っていたから、地図も買えたし、情報料も要求されるだけは支払ったさ」
「じゃあ、仕方ない」
「オリガちゃんのためにも、出来るだけ早く攻略するとしよう」
その言葉通り、1階層は地図もあるので2階層への階段への最短経路を行く。流石に購入した地図でもこの階層は詳細なだけあって間違いはなかったようである。無事に階段にたどり着く。
「よし、この勢いでまずは2階層も突破するぞ」