アロマ2
ハーブティーでは治まらないモヤモヤを鎮めるため、アロマにチャレンジすることを決意したユリアンネ。
しかし前世知識でも細かいところを知っているわけでないため、とりあえず果物を絞ることからはじめてみる。
この世界にもオレンジなど柑橘系果物はあるので、それらの皮を絞ってみる。こちらの世界でも子供の頃には、皮を外向きに二つに折って押しつぶすと飛び出る液体で“目潰し”をして喧嘩になるのは定番であった。その液体を集めてみると、記憶にあるエッセンシャルオイルのような気がする。
しかし、お風呂に垂らすほどの量を集めるには大変な労力がかかってしまう。お皿に置いておいて自然に乾くのに合わせて部屋に漂わせる程度であればそれほどの量は要らないが、やってみても何となく違う気がする。
蒸留するという言葉も覚えているし、くねくね曲がったガラスの管の部分で冷やして作る装置がお店に展示されているのも見たことがある。ただ、その仕組みまでは良く分かっていない。
薬の調剤でも、薬効を高めるためどの部分を残してどこを捨ててとするのだが、アロマとして効果が高い部分がどこなのかも良く分からない。
おそらく前世で商品になっていたものは、効率よく抽出、濃縮されていたのであろう。
インターネットで検索できれば、と思ってしまうが、この世界にそのような便利なものは無い。そこで、果物やハーブなど何種類か集めてきて、それぞれ調剤道具を用いて潰して汁を出させて比較する。もちろん余計な成分が入るのは覚悟の上である。
それでも、果物そのまま、もしくは切ったものを単において香るよりは少しリラックスできる香りが出る物を見つけることが出来た。
自然乾燥のままの方が良いものと、少し炙ると香りが広がるものも確認することが出来た。