少女オリガ2
「確かに実力はあるみたいね」
「角兎程度ではわからないくらいには、ね」
結局、見える範囲どころか戦馬に乗って離れたところまで移動しながら大量の角兎を狩ってきて、少女オリガの前に山積みにして見せる。
「いつもこれをどうしているの?」
「そこに見える村にあげるのよ。魔石と角だけは貰うけれど、お肉は1人で食べきれないからね」
「お肉は売らないんだ」
「村に働き手はいないから、ね……」
角兎を魔法の収納袋にしまい、オリガをユリアンネの前に二人乗りするように馬に乗せて村にまで移動する。
「おや、オリガちゃん。今日はたくさんの人だね」
「こっちはユリ、シミ、その他6人。そんなことよりお肉を持って来たわよ」
村にいた老婆と会話したオリガ。
ユリ達はその指示に従って、近くの家の前で角兎をおいていく。
道中に狩ったものではなく、オリガと一緒に狩ったものだけにしておく。
「うわ。オリガちゃん。こんなには食べられないわよ。いつもの数で良いわよ」
「良いのよ、ちゃんと保存しておいたら。私がいつも来られるわけではないのだし」
「皆さんもありがとうございます。良いのでしょうか?」
「ま、オリガちゃんの希望通りに」
討伐証明の角と、魔石だけはオリガの取り分らしいのでそこだけ取り分けて肉を積み上げていく。
せっかくなら、とゾフィが皮を剥いで、ジーモントが大鍋を取り出して調理を開始する。
「あらあら、まぁまぁ」
村人達も観念したかのように、素直にオリガの言葉に従い料理を貰いに集まってくる。
料理を振る舞いながら見ていても、確かにこの村に残っていたのは老人ばかりのようで、働き盛りだけでなく子供もいないようである。