表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍・漫画化】転生薬師は迷宮都市育ち  作者: かず@神戸トア
遠回り
816/847

少女オリガ

「私はユリアンネ。みんなからはユリって呼ばれているわ」

 ユリアンネが少女の緊張をほぐせたのか、自分たちの自己紹介をしておく。

 いっぺんに8人の名前を覚えられると思わないが、警戒されないためである。


「ユリね。でもこの国の人ではないのよね?」

「やっぱりわかる?そう、ここから南西の方にあるモンタール王国ってところに帰るところなの」

「ふーん。ずいぶん遠いところから来たのね」

「そうね。色々とあってね」

 自分たちの国名など知らなくても不思議ではないのに、このあたりの子供への教育はしっかりしているのだろうか、と思いつつ、話を続ける。


「あなたのお名前は?」

「オリガよ。12歳に見えないって言いたいのでしょう?」

「あら、そんなことはないわよ」

 そう思ったことを口に出さず、一応は否定しておく。


「それより、この辺りは角兎だけ?お姉さん達はあっちの森で狼、その向こうではゴブリンたちに遭遇していたのだけど」

「この近くなら角兎だけよ。あそこに見えるのは王都だから、この辺りにゴブリンなどは居ないわ」

「そうだったのね。でも、角兎までは手が回っていないのね」

「そうよ。だから私が狩るのよ」

「お友達、仲間はいないの?」

「今日は、いないわ」

 その強調の仕方から、あまり指摘しない方が良いことなのかもしれない。


「あなた達、こんなところで無駄話をするくらい暇なの?じゃあ、見えている角兎を一緒に狩ってくれない?それとも角兎も狩れない冒険者なの?」

「ははは。よーし、見ていろよ」

 本気で挑発に乗ったとは思えないが、少女の口調には乗っているシミリート。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
環境的に大人への不信感が高くなるわなあ 煽り方は子どもぽくて微笑ましい
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ