ゴブリンダンジョン3
「で、ここが最奥ってことかな」
「ま、そうなんでしょうね」
シミリートとユリアンネがたどり着いたのは、他に比べて大きい空間であった。
さらにそこにはゴブリンより大きなホブゴブリンが3体待ち構えていた。
Eランク魔物のゴブリンより上位ではあるが所詮はDランクのホブゴブリン。
3体とも棍棒を手にしているが、シミリートの敵ではない。
突進したシミリートが手にしたショートソードの突き、薙ぎ払いなどで簡単に倒されていく。
「お疲れ様」
「ありがとう。まぁ、疲れるほどではなかったけれど」
期待通り、ホブゴブリン達の奥にはダンジョンコアと思われる石が壁に埋まっていた。片手の握り拳すらもない小さなものであったが、これが魔物氾濫の原因かと推測すると思えると、すぐに壁から取り外す。
「じゃあ、少しだけ休憩しながら皆の到着を待つつもりだったけれど……」
「そうだな。帰りながら大声で声掛けして合流して行こうか。少しでも多くのゴブリンを倒す時間があった方が良いし」
シミリートもそういうので、来た道を戻りながら別れ道などで仲間に声をかけていく。
どういう経路だったのか分からないが、最後に別れたゾフィ達よりもカミラ達に合流するのが早かった。
地図を突合するのは街に戻ってから行うことにして、そのまま出口に向かう。
少しずつ合流できた後も、ゴブリンに遭遇することはあったが、難なく倒して出口にたどり着く。
「お、ライオ達も倒してくれていたのか。ありがとうな」
外で待機させていた戦馬8体も襲って来たゴブリンを撃退したようで、死体が積み上がっているのを確認する。