ノムチへの再出発2
リザードマンの話も落ち着いたので、再びハンソク王国の西端の街であるノムチに向けて出発する。
「いよいよハンソク王国の最後の街だな」
「そうなるとキムチとはおさらばね」
「そうだよな、あれ。なかなか癖になるよな」
「みんなそう言うのよ。お土産にたくさん買っていってね」
「そういえばフィジの家ってどの辺なんだ?こっち側だって言うからここまで来て貰ったけれど」
「あら女性には秘密がある方が良いでしょう?」
「何を言っているんだ?」
「フィジ、もう良い加減わかったでしょう?この男たちはそうなのよ」
ゾフィとの二人乗りをしているフィジが呆れたという身振りをする。
そしてリザードマンの後は特に問題なく、途中の街や村、それが無い場合には野営で夜を過ごしていく。
「お、あれがノムチの街か。流石に城壁が高いな」
「隣の北方諸国家群は戦争が途絶えないから、ハンソク王国としても巻き込まれないように防衛が必要なんだろうな」
「ってことは、兵士も結構な数がいるのかな」
「あら、国境なんだし商人の交流も盛んなんじゃない?」
「中に入ってみるまでお楽しみに、ね」
フィジにはぐらかされるので、ノムチに到着するまでは推測するしかない。
「街へ入る行列はそれほどではないみたいだな」
「ま、こうやっている東側は国内側からだろうね」
「まぁ、食料とかは出入りするだろうけど、そういうのは近場と朝のうちに済ませるか」
大きな街であっても大きな戦馬の集団は珍しいようで、周りにジロジロ見られるのはこれまでと同じである。