川でのリザードマン戦闘2
「ちょっと危なかったわね」
「ちょっとじゃないわよ」
フィジに突っ込まれているカミラ。
「うーん、フィジが怒るほどのヤバさではなかったが、それでも橋のあたりに比べたら戦いにくかったよな。これはいったん街に戻って追加の情報収集をした方が良いな」
「そうね。このままこの辺りで野営するのは危ないわよね」
通り過ぎた街では追加で得られる情報も限られると思われるので、橋のあった街道のところまで戻り、そのまま西に向かう。
そしてそこで宿を確保してから冒険者ギルドに向かう。
「え?あの橋を越えてこられたのですか?」
ギルド職員に、リザードマンの魔石などを納品しながら状況確認を行う。
「はい、川向こうの街とこちらでもあまり状況は変わりありません。Cランク魔物のリザードマンの集団を相手するような冒険者はほぼ居ないのです」
少し残念に思いながら、情報を絞って確認していく。
「目撃情報は、上流と下流、どっちの方が多いですか?」
「それは、下流ですかね。そちらの方の村民からの情報でした」
消耗した矢の補充なども行った上で宿に戻る一行。
「ねぇ、このまま西に向かってノムチに行かない?」
「フィジ、どうしたんだ?このままリザードマン討伐を続けるに決まっているだろう?」
「でも、私のわがままでみんなが怪我をするのも嫌だし」
「そうだな、じゃあフィジとはここで別れよう」
「シミ!」
「いや、言い方が悪かった。フィジは、明日はここで留守番して情報収集をしてくれ。俺たちは言葉が分からないから聞き込みに役立てない。フィジとは手分けをしたいだけだ」
「分かりにくいのよ」
カミラに背中を叩かれ謝るシミリート。