ノムチへの道中3
西に向かう街道の橋、そこで現れたリザードマン達。
「突出はするなよ」
シミリートが叫ぶように、本人、ジーモント、ヨルク、サンダーの4人が横並びとなり、その後ろに女性陣、カミラ、ゾフィ、ドロテア、ユリアンネが並ぶ。
ゾフィは弓、ドロテアとユリアンネは魔法という遠隔攻撃方法があるが、カミラは投擲用短剣なので、もう少し距離が近づくまではフィジの護衛役になる。
戦馬達は、その周りを護衛する感じで、もしも後方から挟み討ちに来る敵がいた場合の対処を任せてある。
リザードマンが10体ほど近づいてくる間に、ゾフィの矢、そしてユリアンネとドロテアの火魔法が飛んでいく。
特に周りに燃え移るような森もなく、石造りの橋くらいだけ痛めないように一応注意する程度であるので、遠慮する必要はない。
「街中とも違って気楽ですよね」
ドロテアは自身が扱える上級≪炎壁≫を発動しながらユリアンネに話してくる。
「そうよね、この前の街中に比べたらね」
そう言いながらユリアンネ自身は≪火槍≫で1体ずつ狙い撃ちにしていく。
「あなた達の魔法って威力があって良いわね……」
その魔法使い2人の横で、引き絞った弓で矢を放つゾフィも急所を狙っている。
「そろそろ俺たちの番だな」
リザードマン達に遠隔攻撃をするものはいなく、先ほどの投石だけだったようである。手にしたブロードソード、スピアを構えながら突進してくる。
火魔法や弓矢により少し数を減らしたり負傷したりしながら近づいて来たリザードマン。
中心にいたシミリートは、敵の槍を避けながら、自身の短槍を狙い澄ました敵の急所に突き刺す。