ノムチへの道中2
「今の俺たちの仲間であるフィジの頼みならば、断る理由もないよな」
リーダーであるシミリートがフィジの言葉を聞いて結論を出す。
「正直、リザードマンの規模も把握できていないとの話だったから、まずは様子見だからね」
「しょうがないわね。街道近くにも出没するって話だったし、このまま街道を進んでみましょうか」
「みんな、ありがとう!」
「所詮はCランク魔物。きっと大丈夫よ」
カミラがフィジのお礼に照れながら、返事をしている。
「みんな、前方にそれらしいのを発見!」
ゾフィが一番に何かに気づいた気配である。
念のためにゆっくりと近づいて行くと、川を越えるための橋を倒木などで塞いである。
「意外と頭が良いのね」
「人型だし、Cランクだからそこそこは知恵があるのかしらね」
さらに近づくと、橋の上流側と下流側それぞれの水面から石が飛んでくる。
「うぉ!」
それなりに距離もあったので、戦馬が勝手に回避してくれたのだが、急に動かれたのでバランスを取るのが難しい。
「仕方ない。馬を降りて、盾を手にして進むことにしよう」
シミリートとジーモントが盾を取り出して前方に。その後ろにヨルクとサンダー、さらに後ろにカミラとゾフィ、そしてユリアンネとドロテアがついて行く。フィジはユリアンネとドロテアの後ろであるが、その後ろや周りにはバトルホースが取り囲んでいるため、1人で最後尾にはならないようにしてある。
「お、奴らも投石を諦めたようだな」
確かに橋の横から数体ずつのリザードマンが現れてくる。