表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍・漫画化】転生薬師は迷宮都市育ち  作者: かず@神戸トア
元薬学部受験生

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

75/870

薬納品の注意

ある日、冒険者ギルドに薬の納品をしたところで、ギルド職員から応接室への移動をお願いされる。

「どうされたのですか?」

「ユリアンネさんに納品頂いた薬は主にギルドの売店で販売しています。質が高く人気でして、薬師を紹介して欲しいとの声が多いのです。今までは、冒険者ギルドを介さずに直接調達することでギルドの取り分をなくすつもりですか?と笑って質問すると引き下がってくれる方々ばかりだったのですが……」

「それでは済ませられない相手ですか。貴族か大規模クランというところでしょうか」

「流石ですね。実はそのどちらからも声がかかっております。店舗をお持ちでしたらそちらをご紹介するのですが、まだですよね?名前を出さないことを条件に納品頂いていることは認識しておりますが、そのお気持ちはお変わりないでしょうか」

「はい、店舗はまだありませんし、名前を出すつもりはありません」


ガラクタ市では少し小さめの薬瓶、しかもアンプルのように首を折って使用する特殊なガラス瓶と、“治”と“Juli”を組み合わせたようなマークを入れた物で販売していた。もちろん素顔を隠して。偽物が混じって被害を被らないためでもあった。

ただ、ギルドに納品するだけであれば逆に製作者が特定されにくいよう出来るだけ一般的な薬瓶にて納めてきた。

前にダンジョンで遭遇した盗賊の時のように、他人に薬瓶を渡すときにはアンプル形状でない方にするよう両方を持ち歩いてもいる。


「わかりました。まだしばらくギルドの方で粘ってみます。ただ、ユリアンネさんもお気をつけください。どこで目をつけられるかわかりません。納品も、今までのように人の少ない昼間に来られるだけでなく、多くの薬瓶をカウンターに並べることはやめましょう。このように応接室に来ていただくように、職員の中でも申し送りしておきます」

「はい、わかりました。どうぞよろしくお願いします」

「こちらこそ人気商品の納品、そしてそれにより助かる人がたくさん居ること、我々ギルドとしても大変お世話になっております。引き続きどうぞよろしくお願いします」


職員との会話も終わり、冒険者ギルドを出たユリアンネに尾行がついていることに彼女は気づいていない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ