経路確認3
「で、言葉の問題はどうする?」
話を元に戻すシミリート。
「サンダーも含めて俺たちは、ハンソク王国の言葉を話せないだろう?」
「最低限の食べ物などの購入くらいならば、身振りとお金を見せれば大丈夫じゃないの?」
「カミラは流石だな。でも、それだと悪い奴らに騙されたり襲われたりする可能性が増えないか?」
「うーん……」
皆の沈黙が続いた後、サンダーが発言してくる。
「国境あたりに行けば、通訳する人を雇えたりするかと。値段もわからないですが」
「へぇ、そういう商売もあるのか。確かに便利そうだな」
「待って。その人に騙されたらもっと最悪じゃない?」
「ゾフィも慎重だな。でも確かに」
「ユリ、こっそりと悪魔ギアマに翻訳させて、悪いことを企んでいないかを確認できない?ユリが会話に参加するのは目立つからギアマを使い続けるのではなくて、こっそり確認する程度に」
「サンダー、流石だな。なかなか頭が冴えている」
「シミもそれくらい頭を使えたら良いのにね」
「俺もそう思う。って、違うだろう。で、ユリ、どうなんだ?」
ギアマに確認すると魔力を供給すれば、協力するという。
「じゃあ、決まりだな。中つ国の最後の街で、両替をするのと、通訳をしてくれる人を探そう」
「じゃあ、最後のアキハラの街で、この国のご飯も食べ納めか。しっかり食べるぞ。野営ではなくて」
「ヨルクは肉が食べられたら良いのでしょう?」
「いや、意外とここの魚料理もうまいと思えるようになったぞ」
ユリアンネも、白いご飯、味噌汁、醤油などが食べられなくなるのは残念である。