港街シオサキから出発
シャドウ達の実家のあるツキノハラを出た後は、8人それぞれの乗馬である戦馬に乗って港街シオサキまで移動する。
「サンダーのバトルホースは雄だよね?名前は?」
「そう、雄で、名前はカゲという」
「まだぎこちないけれど、そう、そういう感じで敬語はなしにね」
1週間、6日ほどの行程でサンダーの口調も少しずつは仲間らしく砕けさせようとしているが、まだぎこちない。
「いよいよ潮の香りがして来たな」
「海が近づいた証拠ね」
「中継島の賊を片付けてしばらく経ったけれど、トリアンへの海路は復活したかな?」
「ま、聞いてみましょう」
「それとサンダーの冒険者登録も、ね」
「そうよね」
ツキノハラには元々冒険者ギルドの拠点はなく、今回の“選ばれた盟友”が大量に魔物退治したので買取のために出張所を作って貰った経緯があった。
その臨時出張所は期間限定であり、元々冒険者登録のなかったサンダー達の新規登録まではして貰えなかった。一緒に旅をする上では冒険者の証明書は必須であるので、出張所で銅級相当の戦闘力がある旨の証明まではして貰ってある。
特に問題なくシオサキの街に入るが、街を歩く外国人の数はそれほど変わっていない感じがする。
「冒険者ギルドでついでに情報収集もしましょうか」
「そうだな」
サンダーの新規登録は、人間との戦闘証明がなかったので鉄級となった。
「ま、裏条件があるのよ。でもツキノハラの出張所ではなくこのシオサキで銅級相当の戦闘力って証明を再発行して貰えたから、世界のどこででも裏条件を達成したら銅級になれるわよ」
カミラがつい裏条件まで言ってしまうのかと思うくらいの補足説明をしている。