ツキノハラから帰国準備2
「シミはどうするのよ」
自分の商売に関係する師匠が何かとあるメンバに対して、本職が迷宮都市トリアンの衛兵のシミリート。
「いや、確かにカミラ達みたいに、ではないけれど、投擲訓練の仕上げでもするつもりだよ」
「そう?じゃあ、私たちはそれぞれのところに行くわよ」
気を遣ってくれたカミラに感謝しながら、自身もここの衛兵のような人物から棒術を習ったり、忍者から投擲を学んだりして来た。
十手も、港街シオサキで見かけて気になっていたので、ここで実際に触らせて貰ったり、その技の実演を見学したりしてきた。
その十手は、武器が刀ばかりのこの国では良いが、もっと太くて大きい剣も多用するトリアンなどでは活躍が難しそうであるが、棒術などを含めて相手を怪我させずに捕える考え方やそのやり方なども勉強になった。
それらを教えてくれた人たちに、まだまだ習得が甘いこの国の言葉ではあるが、お礼を言ってまわるシミリート。
通訳にする悪魔ギアマはヨルクが連れて行ったのもあったが、今から新たな技を教わるつもりはなかったのでそれで問題にはならない。
一方、最後の仕上げとしてもう少し習いたいことがあったカミラとゾフィは、フェザーに付き添って貰って細かいところの通訳を頼んでいる。
料理関係ではジーモントとドロテアがサンダーに付き添って貰って、ここの調理人からの言葉の通訳をして貰っている。
先日の会話でようやく認識したジーモントは、ドロテアとサンダーの微妙な関係を横で見て一人納得している。
『どうにかしてあげたいけれど、どうしたものか……』