ツキノハラとの別れ2
「シャドウ、フェザー。俺たち、そろそろこのツキノハラを出ようと思うんだ」
シミリート達は自分たちで話し合った結果を、兄妹に告げる。
「そうですか。そろそろかもしれないと覚悟はしていたのですが」
「封印の悪魔、ミノタウロスダンジョン、オーガ村……色々と本当にありがとう」
「いや、こっちも色々と教わることができたし、こちらこそありがとう」
「そうね、少なくとも親達に報告できるだけの、商売につながるようなことを学べたわ」
「そんな。私たちも外の国のことを皆が知れる良い機会になりましたし、本当に色々と助けていただいた恩人である皆様には感謝の言葉がありません」
「饗応役の皆さんにも色々と助けて貰ったし」
「誰かを引っ付けたかったのでしょう?残念だったわね」
「カミラ……彼らも幹部達の命令だったのだろう?」
「はい……」
「フェザー、責めているんじゃないのよ。どうしても閉鎖的になっている集落には新たな血も欲しいのでしょう?」
「誰か、ここに残る気はないか?」
「シャドウ、それは……」
「ドロテアさんはいかがですか?」
「フェザー?」
「あ。いえ、私はユリさん達と一緒に……」
「テア?もし残りたいのならば。あ、サンダーさん?」
少し赤くなってうつむくドロテア。
あまり気づいていなかった男性陣が何か余計なことを言おうとして、横から女性陣に止められる。
「今、この場で結論を出さなくても。ただ、そろそろ皆さんが帰国される旨は父達にも伝えておきますね」
「あ、そのうちに将軍様の使いが来ると思うぞ。会っていかないか?」
シャドウが突然の発言をする。