ツキノハラとの別れ
オーガ村から持ち帰ったもののうち、角は冒険者ギルドに納品するが、実際の戦闘での役割分担や倒し方も質問される。
「つまりは、誰も昇級することはないと言うことだな」
「そうね。確かにBランク魔物のオーガを1対1で倒せるような活躍はできなかったから仕方ないわね」
「ま、銅級が妥当なのよね、今のところは」
「ユリだけでなくシミはやっぱり銀級らしかったわよ」
てれるシミリートの背中を叩いて、今回に使用した消耗品の補充などをするように皆に声をかけるユリアンネ。
「干し肉でも、もう少しは仕入れておこうか」
「ヨルクが我慢できない時のために、オーク肉の干し肉の補充をしに行くわ」
ヨルクと一緒にゾフィたちが食材の商店の方に消えて行く。
「私たちも調味料などを探しにいきましょうか」
「あ、そうだな。じゃあ」
カミラの誘いに従いジーモントも食品の方に移動していく。
「じゃあ、ユリはポーションや丹薬のために薬草のところか?一緒に行くよ」
「テアと行くから良いわよ」
「う」
「冗談よ、一緒に行きましょうか」
「お、おぅ。荷物持ちは任せておけ」
「魔法の袋もあるからそれは要らないけれどね」
饗応役に対する焼きもちのような変な空気も流れていたこともあったが、結局はツキノハラに戻った後、いつものペアでの行動に戻っている“選ばれた盟友”の仲間たち。
少しだけ寂しい気持ちになっているドロテアであるが、心の中で自分は戦争奴隷であると自分に言い聞かせている。
「テア、どうかしたの?大丈夫?行くわよ」
「あ、はい。大丈夫です。行きます!」
奴隷の主になっているユリアンネからも奴隷扱いではなく仲間扱いをされていると。