オーガ村へ
翌日も同じように、カミラ達が山側で戦馬達と待機しているまま、森の中をオーガ村の方向に突き進んだシミリート達。
前日と同様に、女性体や体格の劣るものが混ざったオーガ達を3回ほど倒す。
「で、オーガの村はどんな感じだ?」
「家の中に入っているのかもしれないけれど、門みたいなところでの見張り以外に歩いているオーガが見当たらないわ」
使い魔シルヴィスを用いた偵察の結果である。
「じゃあ、念のために明日も巡回に出ているオーガ達を倒した後、オーガ村に向かうとしようか」
その旨を待機組とも共有して拠点に戻る。
「そうなると、万が一に反撃を喰らって逃げ帰る場所として、この拠点の位置も移動した方が良いだろうな」
「そうね。どうせ私たちは狼を倒すくらいしかしていないし、戦馬達も居るから狼の相手なら任せられるでしょうし」
その予定通り、シミリート達は戦闘力の下がったオーガ達の巡回班を倒していく。人数は変わらず成人男性体の比率が下がっているので、こちらの怪我人も減る。
並行して山側で拠点の移設、と言っても木々の組み合わせで敵の勢いを削ぐくらいの柵程度のものを戦馬の背中に積んで運んでいる。
「明日は、私たちも村の近くに行って待機しておくわよ」
「え?うーん」
「撤退するときに、戦馬にすぐに乗ってここまで逃げ帰られた方が良いでしょう?」
「私達が土属性の魔法で壁などを作っておけば、一時的な張り出し拠点として機能できるかと」
ストームの発言もあり、ユリアンネも同意したので、シミリートもその作戦に同意する。
「よし、じゃあ、ジモ。残ったオークの肉を頼むぞ!」
「はいはい、皆も明日のために英気を養ってくれよ」
挑発にもなり得ると、今夜は外にも見えるように遠慮もなく火をたいて調理を行う。