オーガ村の発見3
「じゃあ、当てずっぽうに多方面に向けて進むより、オーガ村の方向に向けて2班が進む方が効率が良さそうだな」
「あぁ。まずは村から出て来ているオーガ達を倒して総数を減らしていくようにしないと、な」
見回りに出ているというべきなのか、その少人数のオーガはほとんどが刀を所持しており、たまに棍棒のものがいると戦利品がつまらないのでハズレだと思ってしまう。
「魔石、討伐証明の角、そしてこの刀ぐらいしか得るものがないから、解体も楽でいいのだけれどな」
「でもオーガは食べられないから、持参したオーク肉が減っていくのが心配だぞ」
「まぁ、狼の肉もオークには劣るが食べられるだろう?」
「ジモの調理のおかげで、だけどな」
翌日はオーガ村の方向へ2班とも向かうことにする。
「念の為に。もし倒せないほどのオーガに遭遇したら必ず逃げてね。それで、上空に向けて火魔法を打ち上げましょう」
ユリアンネはドロテアに向けて念押しする。
「くそ!オーガが5体だと。これはキツイ!」
「ジモ、泣き言を言わずに。ユリが来るまでしのいで」
前回と同様にジーモントとブラックがカミラを護るように3人組にはなっているが、対峙しているオーガの数が3体に増えている。
ストームも1人で1体を引き受けているが、倒しきるというよりはユリアンネの応援を待つ状態である。
「みんな、もうちょっと待ってね」
いつも以上に魔法を乱発するのと合わせて、使い魔のシルヴィスをカミラ達の方のオーガ3体に突撃させて注意を引くようにしている。
並行作業が多いと、ただでさえ魔術の発動には集中力と脳の疲労を伴うので、思考力が落ちてしまう。
「あ、ギアマ。魔力をあげるから手伝って」
「ようやく思い出したか」