オーガ村の周辺2
オーガ討伐を始めて3日目。
シミリートはゾフィ、ドロテア、スカイ、サンダーの5人班。ユリアンネはストーム、ブラックの3人班。そして留守番班はジーモント、カミラ、ヨルクと戦馬達である。
周りを索敵しながら敵を倒して進んでいるからか、留守番のいる拠点に敵が攻め入ることはなくこちらは安全な1日であった。
ユリアンネ達はシルヴィスという索敵手段があるため、今回も3体、2体、2体と合計7体のオーガを、森狼以外に倒して帰ってくる。
「人数が少ないのに流石ね」
「ありがとう。カミラ達も3人で留守番させたからちょっと心配だけれど大丈夫みたいね」
「おーい!こちらも帰ったぞ」
「シミ!いえ、それよりスカイは大丈夫なの!?」
「大丈夫ですよ。もう治療して貰っていますので」
サンダーが代わりに答えているが、スカイの背中に大きな刀傷と血の跡がある。
「一体何があったの?」
「オーガ4体の集団と出くわして」
「私が悪いのよ。油断しちゃって」
ゾフィが半泣きになりながらスカイに謝っている。
「シミ、どういうことよ」
カミラ達に攻め寄られたシミリートが事情を説明する。オーガとの遭遇戦のときに、ゾフィが慣れない≪斬撃≫のショートソードを頑張っていた。そのゾフィの隙ができた背中を狙う他のオーガの前に、スカイが飛び出して護った際に怪我をしたという。
「もちろん怪我はドロテアの回復魔法もあって完治しているが、血が落ちていなく、それに服も破れたままでな」
「早く言いなさいよ」
ユリアンネが≪洗浄≫魔法できれいにした服を、ゾフィが得意な裁縫で直していく。
「ありがとうな、ゾフィを護ってくれて」
ヨルクが皆の武器を預かって手入れをする際に、スカイの番のときにこっそり伝え、それが聞こえたスカイも、だいたいの意味がわかったのかにっこりと笑顔で返す。