オーガ村の周辺
「で、オーガってどうだったの?」
「戦った感じ、ミノタウロスよりはやはり強かったぞ。体格的には同じようにたくましい感じで。で、顔は牛みたいじゃなく、いかつい人間っぽいのに角が生えているだけだ」
「そうなのよ。額の左右にある角を隠したら、たくましい怖い顔の男って感じだったわ」
「でも、その刀の腕もBランク相当で、強敵でした」
シミリート、ゾフィ、ドロテアそれぞれの感想を聞いた仲間達は想像を膨らませる。
班わけを見直した翌日は、前日の注意力散漫の反省をしたシミリートが、簡単な会話しかできないスカイとも上手く連携し、遭遇したオーガ2体に対して大怪我を負うことなく倒して帰還してくる。
「シミ、やったわね」
「あぁ、でも1日かけて2体だけだからな」
横目で見たユリアンネ達の方。こちらはシルヴィスという広範囲の偵察が可能な手段があり、2体、3体、3体と合計8体を倒して拠点に戻って来ていた。
「ま、ユリと張り合っても仕方ないわよ。殲滅力もあるのだから」
「カミラ、何か言った?」
「いいえ、今日もお疲れ様ってだけよ」
「ありがとう。拠点に戻るとジモの作ってくれたご飯があるのが嬉しいわ」
「こっちでは戦闘は無いし、時間があるからな」
ヨルクが戦闘から帰って来た仲間達の武器の手入れをしている。
「私はすることが無いのよね」
「自分も、です。明日からは、シミリートさん達の方に混ぜて貰えますか?」
「それだと拠点の防衛が弱くなるからなぁ」
「大丈夫ですよ、戦馬たちもいざとなれば戦ってくれると思いますし」