オーガ村の噂3
最終的にはオーガ村には、“選ばれた盟友”の7人以外に饗応役でも戦闘力のあるストーム・ウォーカー、ブラック・シャドウ、スカイ・ドリーム、サンダー・バードの4人が付いてくることになった。
それぞれユリアンネ、カミラ、ゾフィ、ドロテアへの饗応役でありシミリートなど男性陣は微妙に面白く無い。
「そうは言っても、Bランク魔物がどれだけ居るか分からない場所に向かうのだろう?戦力はあった方が良いだろうし」
「でも、ジモだってあのブラックが、とは思うだろう?」
「そうなんだが。そう、越えていく山脈は龍属が棲む場所らしいから、余計だろう?」
「ワイバーンまでなら何とかなるんだが」
「だから、ダメだって。ここの人たちはドラゴンを龍神として崇めていて、ワイバーンはその眷属と思っているから、こちらから手出しするようなことは厳禁だと言われただろう?」
「もし襲われても、反撃するより逃げる方を選べと言われたよな」
「そんな難易度の高いところ、戦える人間は必要だろう?」
渋々ではあるが納得するしかないシミリート。ジーモントも理屈では自分をおさえているが、内心では微妙である。
「何か空気が悪いわね。投擲や学んだ武技を試す機会じゃない。私達も銅級より上が目指せるか改めて確認できるし」
「カミラほど気楽には、な。敵はBランクなんだから気をつけろよ」
「何よ、ジモったら。盾役で大変だろうから元気付けるつもりだったのに」
男女それぞれに分かれたところで、カミラとジーモントはそれぞれユリアンネとシミリートからダメ出しされているが、自分が悪いとは認められていない。
少し不安が残るまま11人の騎乗した集団が、ツキノハラの集落を出発する。