ミノタウロスダンジョン最奥2
「このまま押し切るぞ」
空気を読んだシミリートが号令をかけて、それぞれが自分の受け持った敵を倒して行く。
特に最近学んだことを使用するという制約の無いサンダー・バードはいつものように優雅な刀の使い方で、傷だらけのミノタウロスの大ぶりなバトルアックスを回避して、首筋に切り込みを入れて倒し切る。
そのサンダーに続いて他の仲間達も順次敵を倒していく。
最後に残ったのはミノタウロスリーダーとシミリートのペアである。とは言うものの、ミノタウロスリーダーにもシミリートの槍による傷が増えており、もう少しという感じがある。
「じゃあ、今度は俺の練習に付き合って貰うぞ」
短槍を手放し、ショートソードに持ち替えたシミリートが、≪連撃≫と≪剛撃≫の2つの武技を連続で発動させてとどめを刺す。
「流石はシミだな」
「最初からショートスピアではなくショートソードにしておいた方が良かったかな」
「敵が多かったし、安全策を選ぶのも仕方ないさ」
喋りながらも、油断せずに念の為に敵の首を切断してまわる仲間達。
「こいつの大きなバトルアックスはこのまま持って帰った方が良いかな?」
「うーむ。いや、それほどの価値はなさそうだぞ」
「そうね、中級下位ってなっているから、他のと同じように金属部分だけで良さそうね」
ユリアンネの≪鑑定≫結果でも残念な結果である。
「ねぇ、みんな、こっち!」
いつの間にかカミラが奥に行っていたようで、そこから声がする。
「ほら、これを見て」
オークダンジョンのときよりも大きくて濃い色のダンジョンコアが壁の凹んだところに収まっているのだが、それよりもその手前の床に置かれた宝箱が気になる。