ミノタウロスダンジョン3
先頭の盾役2人も攻撃に参加し、ユリアンネとドロテア達もいつも通りに攻撃を開始するとミノタウロスも早々に倒れる。
「うーん、ダガーやナイフでの攻撃力だけでは弱いけれど、かといっていつものように頑張ってしまうと、所詮はCランク魔物だから脅威ではないか」
「まぁ相手が2体だけ。こっちは8人。攻撃に参加しているだけでも何人もいるから差がつくわよね」
「最初のダガーやナイフの投擲だけは練習にして、他は手加減しようか」
「そうね、ユリの魔法などは魔力消費を節約するのでも良いかもね」
「じゃあ私は地図書きと≪灯り≫に注力しようかしら。シミ、この丸薬を飲んでおいて」
魔法を使うつもりだった自分とドロテアだけが、ゆっくり魔力回復を促す丹薬を飲んでいたのだが、自分達が魔法を使わないだけ全体の攻撃力が下がると、シミリートの武技で消費する魔力が増えるはずだからである。
「ふむ。この金属は、オーク達の武器に比べると少しはマシかな」
「はい、ミノタウロスの斧の金属は、集落では貴重な素材です」
「確かに、鉱石から金属を取り出す大鍛冶がいらなく、小鍛冶だけになるなら喜ばれるのかな」
「じゃあ、柄は邪魔になるから金属部分だけ回収しましょう。魔石と討伐証明にもなる角だけだと、魔法の袋にはいくらでも入るわね」
ヨルクの呟きに答えたサンダーの発言もあり、元々捨てて行くつもりでは無かったが、なおさら回収する意味が出てくる。
「次々行くわよ」
「カミラが張り切らなくても」
確かに通路は広くなったが、洞窟の分岐は複雑でそれなりに行き止まりも多い。少し広くなった場所にミノタウロスが何体もいる場所もある。
「こっちの方が、投擲もやりやすいし練習になるわね」
「まぁ元の目的はそっちだから、まぁ良いか」
「ミノタウロスが5体。油断はしたらダメよ」