悪魔ギアマ2
「フェザー、ここのダンジョンが特殊って言っていたわよね。ダンジョンコアが見当たらないことが関係する?」
「はい、流石ですね。実はこの神像の中身がそうらしいです。集まる魔素の力を封印のために使うように作られたと聞いています」
「でも、しばらく神像がなかったのにさっきは魔物が居たわよね。それに普通のダンジョンだと、たとえコアを取っても新たなコアができると思うけれど」
「はい、推測ですが。魔物が居たのは集落の者達が適度な間引きしかしなかったことが理由かと。そしてコアにはその割れた水晶玉が相当していたのかも」
フェザーの推測を悪魔ギアマに確認すると多分そう言うことであろうとの返事である。
そのギアマの話を皆に共有するユリアンネ。フェザーが集落の男性達に通訳しているようである。
「皆さんに一緒に来て貰えて本当に良かったです」
「あぁ、本当に助かった」
フェザーとシャドウの感謝の言葉は受けておくが、この後をどうするか、である。
「じゃあ、神像は置いて行くの?」
「いえ、封印対象もいなくなりますし。通常のダンジョンのように魔物が溢れないようにするには、コアをときどき持ち出して新たに作らせることで、魔素の消費をさせた方が良いと思います」
「そうね、その方が良いかな」
「じゃあ、少し休憩して帰ろうか」
どこまで理解したのか分からないが、シミリートがその場を仕切る。
確かに、集落の男達には刺激の強い内容であったようなので、落ち着かせるにはちょうど良い判断ではあった。
「なぁユリ、その新しい悪魔って、こっちの短刀に移れないかな?」
「あ、あぁ、なるほどね」
ヨルクの話をギアマに打診すると、ある程度の魔力を貰えたら可能であるとのこと。ユリアンネがダガーを握りながら魔力を供出すると、封印の対象をヨルクの短刀に変更できたようである。