悪魔ギアマ
「カミラ、何をやっているんだよ!」
「だって、ジモ……。そんな簡単に自分で封印なんてことが出来るなんて」
あまり深く考えずに冗談のような行動のつもりだったようである。
「ユリ、ごめん。このダガーをあげる。似たようなものを既に1つ持っているんだし何とかなる?」
「え!?」
もうこれ以上触りたくないという感じで、鞘にしまったダガーをそのままユリアンネに渡してくるカミラ。
こちらのダガーも手にすると≪念話≫ができるみたいであった。
『我が名はギアマである。できれば早く契約して貰いたい』
『何だと!我ベリスの方が先約である。お前は後だ』
『それを決めるのは主であろう』
『誰が主よ……まったく』
ため息を吐きながらシャドウとフェザーの顔を見るユリアンネ。
「ユリ、俺達では管理できない。そのまま持っていてくれないか」
「先祖達の恨みはありますけれど、そうなってしまうと、単なる武器と同じようなものですよね。封印の管理ができなかった私達には……」
つまり自分達に託されたということと理解する。
『ちょっと、あなた』
『『何だ?』』
『ややこしいわね。ギアマとかいう方よ』
どうやって封印を解いたのかを確認する。このダガーからも勝手に封印を解いて出て来るのが心配だからである。
ギアマが言うには、ここがダンジョンのダンジョンコアの場所だったからだという。ここで、神像がない間に力を貯めることができていたのに、その神像の気配がして来たので、封印が強くなる前に脱出するために封印を破ったと。
もう封印を破って実体化するほどの魔力は残っていない、契約して魔力を貰えたら実体化を含めて役に立つと再度アピールされてしまう。