ツキノハラの悪魔2
「シャドウ、フェザー。あいつは敵で良いんだよな?」
「そうです!私達の先祖が封印していた悪魔です。この神像に祈り、護摩を焚いて封印をし続けていたのに、神像が失われていたから封印が解けたのかも」
「で、あんたら何を話していたの?あいつは私達の言葉も中つ国の言葉も話すと言うこと?」
「そうみたいですね」
『そうなの?』
『我々はもともと異界のものだからな。この世界の誰とでも話せるぞ』
ユリアンネが手元の悪魔ベリスに裏取りをする。
「そこの女!そこに悪魔の封印されたものを持っているのか!?」
「だったら何?」
「それを寄越せ!封印を解いて我が眷属にしてやる」
「嫌よ。どうももっと便利に使えそうなんだから」
『何だと!』
ベリスの言葉は無視するが、空中に浮いた悪魔はユリアンネに対して≪衝撃波≫の攻撃をしてくる。
ユリアンネは≪結界≫を発動して身を守りながら、≪雷撃≫で反撃する。
「何!やるな」
ダメージを受けた気配の悪魔は≪病≫を発動して来るため、≪強風≫で払い除けて≪氷結≫を発動する。
その攻防を見た仲間達も、明確に悪魔が敵であると判断する。シミリートは≪頑丈≫のダガーを投擲し、ドロテアは≪火炎≫や≪氷刃≫などの攻撃魔法を、ゾフィ、ノース、ブラック、スカイは矢を射る。
フェザーとストームは精霊魔法で石を投げつけているようである。
気になるのは、サンダーが何か唱えながら両手を次々と組み換えて気合いを入れて、悪魔に何らかのダメージを与えている気配なことである。
「面倒な!」
悪魔は≪骸骨≫魔法でスケルトンを数体生み出して来るので、遠距離攻撃の手段を持たないジーモント、ヨルク達だけでなくシャドウも参戦する。




