出発前のダンジョン攻略3
「ま、それでもゾフィとカミラは一応Cランク魔物を1人で倒せたと」
「ジーモントは魔道具が≪頑丈≫のバックラーだけだからちょっと辛いよね。ヨルクは魔道具も無いし」
「ユリ、≪麻痺≫のダガーを貸してあげよう。それとカミラの≪氷≫のショートソードを」
「さぁ、これで次はジーモントだ」
次に見つけられたのは3体のハイオークだったので、2体をゾフィ、ユリアンネの遠隔攻撃で倒しておき、ジーモントが近づいて来た残るハイオークにダガーを投げつける。そのあとはバックラーで攻撃を受けながら、≪氷≫のショートソードで攻撃を続ける。
麻痺の効果が現れたようで動きが鈍くなってからハイオークが倒れる。同じ武器を使っても、筋力あるジーモントが攻撃した方がダメージが多かったのだと思われる。
「ヨルクはどうするか」
「俺はショートソードを器用に使えないからな」
「大丈夫よ」
釣ってきたハイオークのうち1体だけに対してヨルクが相対するように出来た後、ユリアンネが2人の両脇に≪石壁≫を発動する。
「お、なるほど」
ヨルクは両脇が狭い空間で、下手に動き回られることが無いハイオークに対して、背の低さを活かしながら太ももに戦斧を叩きつけて動きを抑え、戦いの主導権を握っていき、とどめを刺す。
「何とか4人とも1対1で倒せたね」
「遠隔攻撃ができるゾフィ以外は怪我してしまったし、な」
「まだまだ課題はあったけれどね。やはり魔法の武器は多い方が良いかな」
「今回の騒動での報酬で買っておいた方が良いわね」
「さぁ、ここからは肉の回収に全力だぞ」
「ヨルクはそれしか無いのね」
ゾフィとカミラとしては少しぐらいサーベルタイガーの素材が欲しいという希望もあり、時々は脇見もしながら、ほとんどはハイオークの肉の回収と称したハイオークの殲滅に注力する一行。