出発前のダンジョン攻略2
「お、あっちにはサーベルタイガー。あっちはハイオークか」
「肉が欲しいからハイオークな。今回は魔法の収納袋もあるからたくさん狩るぞ」
トリアンダンジョン21階に降りた“選ばれた盟友”の7人。
草原とはいうものの少しは凹凸のある階なので、見晴らしが悪いところもある。
「油断しないで行くわよ」
ゾフィが弓を構えながら索敵担当らしく少し前を進む。
ユリアンネに対して、使い魔シルヴィスによる索敵はしないように念押ししている。
「まずは3体のハイオークね」
ゾフィが≪遠射≫のショートボウを活かして、敵を釣る。自分だけでどれだけいけるか試しているのか、3体なのに1体を相手に何度も矢を射るゾフィ。盾役になるシミリートとジーモントもその意図が分かったのか、残る2体を相手にするつもりである。
矢が何本も刺さったまま接近して来たハイオークに対して、ゾフィはショートソードを抜いてとどめを刺す。
「ゾフィ、やったな」
残り2体のうち片方はシミリートが武技も用いて倒しており、もう片方はジーモントの盾の後ろからカミラとヨルクが攻撃することで倒したので、ユリアンネやドロテアの出番は無い。
「次はカミラかな」
2体のハイオークを見つけたゾフィは、今回も片方だけに矢を射ることで釣ってくる。近寄ってきた2体のハイオークのうち無傷の1体に対して、ゾフィが≪氷≫のショートソードで攻撃を繰り返す。
その間に矢の刺さったもう1体はシミリートとドロテアが片付けておく。
「まだまだだったわね」
怪我を負いながら何とか倒し切ったカミラのつぶやきである。すぐにユリアンネが≪回復≫魔法で治療する。
「うーん、近接攻撃だけだと、魔法の武器1つでは弱いかな。武技の習得の代わりに魔道具と思ったんだけど」