表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍・漫画化】転生薬師は迷宮都市育ち  作者: かず@神戸トア
ストローデ領
561/855

風花の中つ国

「おい、本当に来るのか、うちに」

「皆さんと一緒に帰国できるならば楽しそうです」

 シャドウは戸惑いフェザーは喜ぶという兄妹で異なる反応ではあるが、ユリアンネ達が一緒に旅を続けること自体は否定されない。


「で、お前達の国って、船でどのくらいかかるんだ?」

「1ヶ月ぐらいですかね。季節によって潮の流れや風向きが変わるのですが、今ならば」

「そこから1週間ほどの馬旅で俺たちの家に着く」

「今さらだけど、なんて国名だっけ?」

風花(ふうか)の中つ(なかつくに)です」

「え?」

「こちらの言葉で言うと、ですが。風と花の中央の国という意味ですね」

 “葦原(あしはら)の中つ国”が日本神話での日本の異称で、神々の高天原(たかまがはら)と黄泉の国の中間にある国という意味だったことを考えながら、やはりインディアンというより日本っぽいのかもしれないと思うユリアンネ。となると、色々と懐かしいものが見られる可能性に期待して、シャドウ達について行きたい希望が膨らむ。


「簡単に言うが、本当にみんなそんな旅を続けられるのか?親達への相談は?」

「え?そりゃ説得して来るに決まっているじゃない。あ、シミは衛兵を……」

「あ、あぁそれもあるが。みんな、やっとトリアンに戻って来たところで、独立騒動も落ち着いて。これから親元に戻る話もあるだろう?」

「それぞれ事情もあるよな。俺も親に相談してくるよ」

 ジーモントも長男で実家の宿を継ぐ前提である。さらに旅をすることの許可がされるかは分からない。

「ま、珍しい料理を学んでくるなどの理由をつけて相談するが、な」

「私も珍しい素材って」


 ユリアンネが、後を継ぐ予定で相談すべきだった“オトマン書肆(しょし)”の主がもう居ないことで悲しくならないように、楽しそうな雰囲気を続ける。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ