秘密基地への来客2
「で、衛兵団で情報はつかめたの?」
シャドウとフェザーが拠点を移して来た翌日、衛兵団の拠点から戻って来たシミリートを皆が取り囲む。
「まぁ落ち着け。まず。シャイデン男爵が北に逃亡途中に死体で発見された」
「え!」
「仲間割れという推測らしいが。これで残るは領主代行のインガルズ様ぐらいになった。もうストローデ領自体は王国軍としてのルオルゾン領軍に全面降伏したようなものだし、領主のインリート様、ご嫡男のデレック様も王国の意向に従うと言われている。そうなるとこの独立騒動も実質は終結だ」
「でも、処分とか今後の成り行きは決まっていないわよね」
「あぁ、流石にルオルゾン領主のルーベルト様も一存で決められないから王都にお伺いを立てているらしい」
「モンヴァルト山脈の魔物が減ったならまだ少しは速くなるとは言っても、王都との往復には時間がかかりそうね」
「まぁ仕方ないよな。こんな大事」
「デン様、どうなるのかしら」
「おい!でも、まぁそうだな。領主の弟が謀反を起こしたし、それを止められなかったということだからな」
「本人は毒で眠らされて、嫡男は未成年だったのよ」
「それでも、な」
「で、出航制限はどんな感じか分かったのか?」
わざと空気を読まない発言で会話を変えさせたのか、兄シャドウの発言に対してフェザーが肘鉄をする。
「あ、あぁ、そうだな。もうすぐ出航制限は解除するらしい。ストローデ領の貴族達が逃げ出したりしないかのチェックはするが、通常の人や物の移動は再開するらしい」
「冒険者達も戻って来るかしら」
「噂が伝われば、稼ぎやすいトリアンには戻って来るよな、きっと」
「シャドウ達もいよいよ帰国できそうだな」