暗殺2
スラム街でも血の気の多いものが集まったエリアにおいて、尾行していた衛兵も流石に制服ではなかったがシミリート達の冒険者の装備などが刺激したようである。
何しに来ている?邪魔をするな、のやり取りから戦闘行為になるのに時間はかからなかった。
「ユリを守れ」
ユリアンネの名前のところは小声であるが、魔法の袋から取り出した≪刺突≫の魔槍を取り出したシミリートが仲間達に合図をする。ジーモント達も武器や盾を取り出す。
尾行をしていた衛兵達は、流石に得意武器の槍を持参して来ていないが、ショートソード等の武器を抜いて応対する。
倒しても次々と出てくる男達を倒して、そろそろ終わりかと思ったあたりで、裏商会の者が建物から出て来る。少し離れたところで戦闘が行われているのを見て驚き建物に戻ってしまう。
「お金を渡して話をしていた相手と一緒に出てくるわ」
使い魔に覗かせていたユリアンネが周りに伝える。
「お前達、何者だ!この街から生きて帰れると思うなよ!」
ユリアンネが使い魔シルヴィス経由で見ていた厳つい男が、裏商会の男と一緒に建物から出てきて叫ぶ。
「攻撃して来たのはお前達だからな。悪く思うなよ」
引き続き攻撃者に対して撃退する体をとっている衛兵仲間とシミリート達。
形勢が悪いことに気づいたのか逃げようとした裏商会の者の足にシルヴィスが突撃させて転ばせる。
一緒に出てきた厳つい男にはシミリートが≪吸血≫ダガーと≪麻痺≫ダガーを投擲した上で、男が手にしていたブロードソードを魔槍で弾き飛ばして捕縛する。