銅級冒険者
出口近くでは売却を意識して多めに素材を剥ぎ取っていたこともあり、冒険者ギルドでの売却額はそれなりの金額になった。
「やっぱりCランク魔物は良いお金になるな」
「でも、それだけ脅威は高くなっていたわよ。シミとユリが居ないと横断なんて出来なかったわよ」
「はい、そのお二人だけこちらにお越し頂けますか」
報酬を受付嬢から受け取り仲間達と会話していると、その受付嬢から応接室に2人だけ案内される。
「お二人の冒険者証を銅製に変更させて頂きますので、しばらくお待ちください」
「え?他のみんなは?」
「後ほどご説明しますので、お待ちください」
しばらくして2人分の銅級冒険者の証を持って来た受付嬢が説明を始める。
「21階層、Cランク魔物が出現する階層を踏破されたパーティーの方々ですが、高い戦力の方が導かれることもありますので、単純にCランク、銅級の戦闘力があるとは認められません。実際、“選ばれた盟友”の6人パーティーにおいて、それだけの戦闘力を認められるのはお二人だけというギルド側認識です。これは納品素材についた戦闘のあとや、他パーティーからの証言などの証跡もあります」
「……」
「ご理解いただいてありがとうございます。また、銅級には裏条件もあります。対魔物だけでなく対人戦闘もこなすことができることの証跡が必要になります。今回、領軍からも情報を頂いておりますので、お二人はその裏条件も達成になります」
「え!?」
「では他の皆様もお待ちかと存じます。これで以上になります。くれぐれも裏条件は銅級以上の方以外とお話しされないようにお願いします」
受付嬢は用が終わったと応接室を出ていく。
領軍との情報連携のはやさ、意外と色々なところでチェックされていることを理解して顔を見合わせる2人。