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【書籍・漫画化】転生薬師は迷宮都市育ち  作者: かず@神戸トア
ストローデ領
478/851

トリアンの書店仲間2

「私が仕入れに行っている間に、うちの店も魔導書の徴集があったらしいのよ」

「それは……」

「でも在庫にあった魔導書を提出すれば済んだらしく」

 応接間に案内されてシミリートと座ったユリアンネにお茶を出しながら話しかけてくる初老の店主。


「それでね、今回に声をかけさせて貰ったのは、魔導書を仕入れて来たからなのよ。オトマンさんがお亡くなりになり、店舗もあんなことになったようだけど興味はあるかな、と」

 差し出して来たのは中級風魔法の≪強風≫と初級土魔法の≪粉砕≫であった。

「ありがとうございます。ぜひ購入させてください」

「でも、店舗もないのに売るあてはあるのかい?義理で購入してくれるには高価なものだし」

「いえ、大丈夫です」

 経済的には余裕もあるし、自身が未修得の魔法の魔導書であるため、写本を作って販売する当てはなくても購入することに迷いはない。言い値の金貨を差し出す。


「こちらとしてもタダで供出するよりも買い取って貰えるのは助かるからありがたいよ」

「いえ、覚えていただいた上にお声がけまでありがとうございます」

「書店仲間に、オトマンさんの後継者は健在であること、魔導書の買取は引き続きしてくれることは伝えて良いのかな?」

「……。はい、書店の再開の目処はありませんが、買取資金に問題はありません。ぜひお願いします」

「数学や生物学の本については?」

「すみません、そちらは……」

「そうか。それらの注釈付きも人気だったんだけれどね。またその気になったら教えてね」

「ありがとうございます」


 ラルフの薬屋“木漏れ日の雫亭”を窓口にすると何か面倒に巻き込むかもしれないと懸念したユリアンネに気づいたのか、今回みたいにオトマンを尋ねてくる人がいた場合と同様に、隣の武器屋“輝星(きせい)の武器庫”を連絡の際の窓口に、とシミリートが申し出る。自分はそこの息子で、彼女の仲間ですから、と。

 何かに気付いたのか、頑張れよ、と帰り際にシミリートは背中を軽く叩かれて見送られる。


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