不死者ダンジョン進行
不死者ダンジョンの地下2階を進む一行。地下1階は洞窟タイプであったが、地下2階は石が積まれた通路タイプである。
「ごめんなさい……」
「まぁ慣れるまでは仕方ないわよね」
地下1階で遭遇したスケルトンは、死体とはいえ肉はなくて骨だけであったので、慣れないドロテアも怖さだけであった。しかしこの地下2階で遭遇するのはDランク魔物のゾンビ、腐敗した肉がついている死体であり臭いもきつい。慣れていないと嘔吐してしまう。
「ユリ、遠目に見つけたときからどんどん燃やしてくれ。テアもできる範囲で良いから頼むな」
「わかったわ。でも、一応地下2階にゾンビが出るのは情報通りなのは良かったのかしら」
「どうせならそこは情報通りでない方が、鼻が曲がらなくて良かったのだがな」
その期待通りというべきか、地下2階でもその先に進むと今度はCランク魔物のマミーに遭遇する。
「臭いはないのが助かるが、この包帯野郎はしぶといな」
「乾燥しているからゾンビよりも効果あるはずよね。ちょっと待って」
ユリアンネとドロテアが火魔法≪火槍≫や≪火炎≫を使用すると、やはり弱点であったようで効果が高いようである。
シミリートとユリアンネは銀級冒険者でありBランク相当ではあるが、ジーモントたちはまだ鉄級冒険者でありDランク相当であるので、Cランクであるマミーには少し手間取る。
カミラが王都で購入したショートソードは氷をまとう魔剣であったので、少しは多めにダメージを与えているようである。
「だけど、炎のショートソードの方が効果が高かったはずよね。残念だわ」
「そうは言っても、モンヴァルト山脈の地龍や飛龍が炎のブレスだから氷が良いって選んだんだよな」
「そうよね。両方買えるぐらいお金があれば良かったのだけど」
「そんなことを言って。水属性、火属性の次は風属性って欲しくなるだけだろう?」
「う……」