サーベルタイガー2
ゾフィが弓矢で、ユリアンネが火魔法で1体ずつ攻撃したサーベルタイガーがそれぞれに間近に接近すると、シミリートとジーモントがそれぞれ盾を構えて飛び出す。
遠くにいる間に与えたダメージは弓矢の方が少ないので、シミリートが盾で敵を抑えるだけでなく片手剣での攻撃も行う。突撃を抑えられたサーベルタイガーの後ろからも、ヨルクが戦斧、カミラが片手剣で攻撃する。
味方が邪魔になりかねないので、ゾフィの弓矢の相手は、ユリアンネとジーモントが対応している方に切り替えてある。ユリアンネの≪火炎≫は≪火球≫と違い目標へ向かって飛んでいく魔法ではなく、示した場所や敵を燃え上がらせる物であり、あまり近くに味方が居ると同士討ち(フレンドリーファイア)になりかねないので、盾役のジーモント1人のみが接近しているだけの方が良い。
遠隔の時も含めた数発の≪火炎≫で片方のサーベルタイガーを倒した後には、ジーモントも片手剣でもう片方への加勢に加わることで2体を倒し切る。
「皆、怪我もなく倒せたな。幸先良いぞ!」
シミリートが皆を鼓舞する言葉を発する。
「あーあ、せっかくのCランク魔物の毛皮なのに燃えているか傷だらけか、残念だわ」
「ゾフィ、今回は踏破を目指すからこんな最初から素材を集めていると荷物を持ちきれなくなるわよ。良いところだけ選別しておきましょう」
「って、カミラはもう無傷の牙を選んでいるのね。ジモは、お肉の良いところだけ?負けていられないわ」
ジーモントが肉の解体と合わせて胸から取り出した魔石と薬の素材として使う心臓だけユリアンネに渡してくるが、シミリート達が相手していた方は心臓が傷ついていたのでもう片方だけを素材袋にしまう。