高級回復薬
「ユリさん、いよいよ高級ポーションですか!そのお歳で流石ですね」
「いえ、クロリスさんをはじめ、皆さんのおかげです」
「こちら、高級下位ですので、指の欠損程度なら回復できますね。普段でしたら銀貨30〜50枚で買い取りになります」
「普段でないときというと?」
「はい、戦争状態ですとその倍にでもなります。戦争というのは、日頃には怪我をしないような方々が怪我をされるのです。つまり貴族の方など、お金をお持ちの方がたくさん購入されるようになるので戦争特需になります」
「それって、武器などもそうではないのですか?」
「確かに同じように見えますが、武具は日頃からも訓練で使用しますので消耗や購入もある程度はありまして、そこまで劇的な違いは無いのですよ」
「では今は?」
「そうですね、今でしたら銀貨50枚ですね。ユリさんのは品質も良いので」
想定以上の買い取り額になり、驚くユリアンネとシミリート。その金額で魔法の腰袋、今度は一辺が5mの立方体ほどの大きさの物を購入することにしたユリアンネ。
「それと、次の写本はこちらをお願いできますか?」
「え?これって上級火魔法の≪火槍≫!?」
「ええ、もうユリさんは上級魔法も扱えるようになって、こちらも大丈夫ですよね?きっとこちらを習得されると役立つと思いますので」
「はい、ありがとうございます!がんばります!」
思わぬ大金を入手し、今までより大きな魔法袋を入手できて喜んでいるユリアンネではあるが、クロリスの言動のところどころに引っ掛かりを感じていた。
「そうか?いつもの良い会頭さんじゃなかったか?」
シミリートは特に感じなかったようであり、気のせいかもしれない。