シャドウ達の事情2
シャドウとフェザーの兄妹がこの王都まで来た理由を聞いた仲間達。
「で、王都まで追いかけてきた後は、あのグレートベアの情報収集をしていたんだ」
「はい、早いうちに、故郷出身の薬師を見つけることができて、ここでの情報収集の伝手を得ることが出来ました」
「地下水路に初挑戦した頃、何か嬉しそうだったのはそれだったのかな」
「はい、多分そうです」
「じゃあシャドウが怪我をして帰って来たときのは、グレートベアの情報収集をしていることを邪魔する奴が?」
「はい、おそらくは、繋がりがあった裏組織からの脅しだったのかと」
「何にせよ目的が達成できて良かったわね。まだ道中の山脈の魔物は減っていないみたいだけど、またトリアンの港から故郷に帰るの?」
「はい、お世話になりっぱなしでしたが、我々が使命を果たすのを今かと待っている母達もおりますので……」
途中から話し手がフェザーにかわり、今までの状況についても説明する。
「そうなのね、残念だけれど仕方ないね」
「あ、ユリ、その薬師を紹介しますね。せめてのお礼に」
「え、あ、ありがとうね。でも、色々と我慢していたはずの王都見学などもこの機会にしに行こうね」
「そうよ、フェザーは可愛いんだから、オシャレもしないと」
女性陣だけ集まっているので、男性陣もシャドウにうまい酒を飲みに行こうと誘う。
「みんな、勝手を言ってすまない。家までお世話になって本当に助かっていた」
「何を水くさい。仲間じゃない」
「ほら、湿っぽいこと言わないで、二人の使命達成をお祝いしましょう!」
屋台などから手分けして買い込んで来たものを、食堂で並べて騒ぐ8人。使命があると思っていたであろうシャドウとフェザーの肩の荷がおりたのか、いつもより素直に楽しめているようであった。