ポルダの村
微妙な距離で野営もしたくないので、早朝に王都を出発して目的の村に向かった8人。
「やっと到着かな」
「前のオークの村、イニヒェンよりも田舎ね」
「盗賊も、あまりに王都に近いのは避けるだろうしね」
冒険者ギルドで貰った簡易な地図が無いと、ほぼ森で見通しも悪く、丘程度の起伏があるこの場所にたどり着くのも困難と思える場所であった。
村の入口で村長宅を教えて貰い4頭の馬を連れて向かう。
「よくお越し下さいました!ポルダの村長でございます」
シャドウ達の馬、ホーの大きさは目立つため早々に馬屋に連れて行き、あらためて大きな部屋で村長と対面する。
「それで、盗賊の人数はどのくらいなのでしょうか?また頭目がグレートベアという黒髪の男という以外に情報は?」
「はい、村にやって来て食料などを提供するように指示してくるのは今は5人ほどですが、最初は10人ぐらいで来ました。その最初の時に一番偉そうだったのがそのグレートベアという男でした」
「最初の10人のとき、弓矢の男達はいましたか?馬は何頭ぐらい?」
「いえ、剣や斧の男たちでした。それと馬に騎乗しているのはそのグレートベアという男だけでした」
「この村で戦える男の人は何人ぐらいですか?あ、実際に戦うというよりは男手の数です」
「そうですな、30人も居ないぐらいです。ですので、戦い慣れた10人には立ち向かえないと」
「あと、盗賊の隠れ家の場所の心当たりはありますか?」
「はい、おそらくあの丘の洞窟ではないか、くらいの推測はありますがもしもが怖くて近寄ってはいません」
「わかりました。今夜は集会所あたりを拝借し、明日から探索することにします」
「では今夜は宴でも」
「いえ、勘付かれても面倒ですので、普通の食事をいただけたら」