間引き終了2
間引きに参加した報酬、そしてその際に討伐した魔物の素材などの納品、そしてハイオークキングの貸し出し対価などを冒険者ギルドで受け取り、懐がかなり暖かくなった6人。
さらに、ハイオークキングの大剣が魔剣であったため、クロリス商会に売却した金額もかなりであった。
「シミかジモが持っておけば良かったのに」
「いや、流石にあんな大きな剣は扱えないよ」
その他の戦利品の武器はヨルクが再利用したり、牙などはカミラが、皮革関係はゾフィがそれぞれの加工用の素材にしたり、なんだかんだと成果のあった間引き依頼であった。
「ジモも屋台で販売する肉がたくさん手に入ったわよね」
「ヨルクが食べ過ぎなければ、な」
ユリアンネは、魔術師団員や他冒険者の魔法使いの技を見る機会はなかったが、使い魔を間近に見られたことが経験になったと思っている。
「意外と他の人との交流も少なかったし、ハイオークキングを倒したことでの騒動も無くて良かったよな」
「まぁ、確かに騒動ではなかったけれど、ユリとシミは昇級できたよな」
ハイオークキングの死体を冒険者ギルドで受け取るときに、2人だけ呼び出されて銀級への昇格手続きをしたのである。
「2人にはそれだけの実力もあるってことだよな」
「いや、ジモたちも、武技がまだなのに銅級の一歩手前と評価はされていたじゃないか」
「まぁな。俺たちはシミと違って、武力で成り上がるつもりは無いから程々で良いがな」
「あら、そんなことを言ったら、ユリなんて薬師志望で書店員見習いなのに、魔法使いで銀級よね」
「言わないで……薬師として高級を調合できるようになるのには、魔法の習得が便利と思っている自分にモヤモヤしているのだから」
「あら、良いことじゃない。できることがいっぱいあるんだから」